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2007-10-11

スキヤキかマカロニか。

20071008233756
 『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』を見ました。
 監督は三池崇史。出演、伊藤英明、佐藤浩市、伊勢谷友介、桃井かおり、香川照之、石橋貴明、安藤政信、木村佳乃、堺雅人、そしてクエンティン・タランティーノ。豪華絢爛!

 ストーリーは、平家ギャングvs源氏ギャングが、埋もれているというお宝を巡り対立している村に、一人の凄腕ガンマンが流れてくる……というもの。
 なんじゃそら。

 こういったぶっ飛んだ物語や設定は、奇しくも出演しているタランティーノに通ずるものを感じますが、如何せんタランティーノとは才能が違います。それはレベルではなく、才能の「質」が違うのです。

 柳下毅一郎さんが書いていましたが、《三池崇史の才能は徹頭徹尾破壊の才能》なのです。
 ですから、例えば時代や国をわけのわからんSFな設定にしてみたり、日本人ばかりなのに英語を喋らせたり、そういった破壊力のある設定は面白い。日本人の英語、というのは相当違和感ありましたが。
 特に銃撃戦では破壊の才能が爆発して、見事なものでした。最終決戦は雪降りしきる中。銃と刀の戦いは、一瞬にして永遠。

 しかし、それら舞台の上で展開されるはずの「物語」が全く構築されていないのです。タランティーノは「構築」(又は「編集」)の才能が抜群で、ドンドン予想を超えたものが画面上で構築されていきます。しかし三池崇史は、破壊のみで構築がない。
 だから何もかもがあり過ぎているのに、何もかもが足りない、と感じてしまいます。素材ばかりが積まれていくのを見ているわけです。歯がゆい気分になりました。

 豪華な役者陣も、豪華なだけにうまく回っていないように見えました。これだけ揃っているのは、見ていて眼福ではありますが、脇役をがっちり渋めに固めて、主役級を大暴れさせる方がいいのでは。どうしても豪華だと、“飽き”が来ます。
 そんな中、際立って光っていたのは、桃井かおり、タランティーノ、香川照之の三名。特に桃井かおりは、彼女が普段発する「私は大物なのよオーラ」がいい方向に働き、生き生きと演じていました。記者会見で「これで『SAYURI』に勝った!」と言ったのもうなずけます。

 マカロニ・ウェスタンに対抗してのスキヤキ・ウェスタン。面白い試みではあるので、三池崇史に続いて、他の誰かが作った作品を見てみたいです。そうやって、一流作品からB級まで様々な作品が揃えば、なかなか面白いジャンルになるんじゃないでしょうか。

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