« トム・クルーズの半開いた口 | トップページ | 非日常 »

2006-08-01

もっと深みを!

200607312241491
  『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』を見に行きました。最後の19時の回だったんですが、結構混んでいました。さすがあれだけ前評判が高く、広告もばんばんやっているだけあります。

 見る前に、こんなことを思っていました。
「前作ではジャック・スパロウは主人公の一人だったんだけど、その彼が受けたんだから、続編はがんがんプッシュしてきて、そのせいでやり過ぎ感が漂ってしまうんだろうなぁ。ヒットしたから金もかけて派手だけど、物語はイマイチなんだろうな」
 そうしたらその通りでした。ちょっと苦笑。

 内容は完結している『1』と違って、『2』『3』は前後編になっています。だから、物語は中途半端なところで終わっていて、物語も何だか間延びしています。大体今作も2時間半ありました。冒険活劇にしては長すぎです。
 
 ジャック・スパロウはいいですね。おどけていて、ラリッていて、臆病で、卑怯者で、素直で、カワイクて、カッコいい。ちなみに今回のコピーは《さらば、ジャック・スパロウ》で、そういうシーンは確かにあったんですけど、それが格好いいんですよ。ジャック・スパロウに1800円出しますね、私は。とはいえ、そんな私でも今作は思った通りちょっと過剰気味でしたけど。

 物語自体はどうなのかというと、イマイチでした。次から次に物事は起きるんですが、ただ大騒ぎしているだけなような。しかし、思い返せば『1』も物語はイマイチで、ただただジャック・スパロウだけが良かったんだから何一つ変わっていない気もします。
 なので、「混んでいる映画館にわざわざ行く事はないけど、『1』観て、『3』も行くんだったらそのうち見たら? ジャック・スパロウ以外ちょっとガックシだけど、そもそもそういう映画なんだからいいんじゃないの」というのが私の感想です。褒めているんだか褒めていないんだか。

 以下は、少しですがネタバレです。ネタバレって程でもないんですけど。一応、注意してください。

 今回、エリザベスの揺れる心も一つの見所です(見所って程ではない気がしますが、少なくと製作者側にはそういう意図があるはず)。
 揺れるというのは、婚約者ウィル・ターナーとジャック・スパロウの二人のうち、どっちが好きなのだろうかということ。ウィルは好きだけど、自由奔放なジャックにも惹かれる……という、とてもわかりやすい図です。そういう構図が出来てもいいと思います。陳腐だけど。
 だけど、簡単過ぎませんかね。というのも、エリザベスがジャックに対して抱いている感情というのは、恋愛感情とは似て非なるものと思うからです。友情であり、愛情であり、憎悪であり、憧れでもある。そういうあらゆるものを含んだ、とても複雑な感情ではないんでしょうか。
 しかし、ハリウッド映画は、そういう複雑な、または、あやふやな感情を描くのがとても下手です。好きか嫌いか。愛情か友情か。LoveかLikeか。0か100か。はっきりとしたものが多い。あやふやで、あいまいな感情や関係を描けない。いや、わかりやすくする為に描かないのか。とにかく、その点はちょっと不満です。ジャック・スパロウという魅了的なキャラクターがいるのだから、人間関係に深みをもたせたらいいのに……そうすりゃもっと……恋愛関係とか親子関係とかもさ……ぶつぶつ。

 ま、『3』も控えていますし(多分同じ感じだろうけど)、後編次第でまた変わるかと。
 『2』に関して言えることは唯一つ。ジャック・スパロウは(やり過ぎながらも)今作も最高、ということです。カッコよかったなー。

|

« トム・クルーズの半開いた口 | トップページ | 非日常 »

5.龍さんの『ポップコーンキネマ』」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/79109/11177781

この記事へのトラックバック一覧です: もっと深みを!:

« トム・クルーズの半開いた口 | トップページ | 非日常 »