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2006-04-25

「魔王」降臨

まぼろしの銘酒、「魔王」に数年ぶりに再会致しました。

「『魔王』あります」というメニューに期待を寄せて、頼んでみるも「品切れです」とつれない返事をされ続けて数年。
久々の再会と、そのおいしさにすっかり気分が良くなってしまいました。

新宿のとあるお店にて、メニューには「魔王」の文字。
一杯1200円!
「『魔王』、ありますか」
恐る恐る店員さんに尋ねてみると、「『魔王』、ございます」とのこと。迷うことなく注文。
遂にお出ましになりました「魔王」。
久々に呑んだ「魔王」の味は、癖もなく、甘く。
非常にまろやかで、安い焼酎にありがちな「刺す感じ」がないのです。
そういえば焼酎をあまり飲めなかった私が、焼酎に開眼したのも「魔王」のおかげでした。
至福、とはこのこと。

その後、一般の焼酎を呑むも、やはりどこか物足りなさを感じてしまいます。
そこで私はネット注文という手段を取ろうと目論みました。
そこで大変なものを見てしまったのです。
http://www5.wind.ne.jp/aramaki/maou.html
定価、一升瓶で2800円!!
その希少価値ゆえに、コップ一杯1200円だったのです。
さすがプレミア焼酎!!

この味を知ってしまっては、なかなか他の焼酎では満足できません。
お酒好きの皆様、お店で見かけたらチャンスです。是非ご賞味下さい。

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2006-04-17

4月14日 上坂冬子さん

 久し振りに自由が丘の上坂さんのお宅に伺う。昨年秋、卵巣がんの手術をなさってからは初めてだったが、予想以上にお元気で安心した。鮨をつまんだ後、事務所に戻り、ぼくが持参した九段、ゴンドラのパウンドケーキをペロリ。食欲も旺盛だ。(余談だが、このゴンドラのケーキ、今、若い女性に大人気だ)
 昨年秋、どうもお腹が異常に太って苦しいので、聖路加の日野原重明さんのところへ行った。
「そうしたら、まずお腹を見て、これは腫瘍が出来てるね。で、背中を見て、うん、肉が落ちてるから、これは卵巣がんだって。あのくらいになると、体型見ただけでわかっちゃうのよね」
 最近、上坂さんが出した『戦争を知らない人のための靖国問題』(文春新書)が売れている。3月半ばに出してもう4刷り7万部とのこと。
 『WiLL』5月号の書評で堤堯さんも取り上げているが、実にわかりやすく、明解に靖国問題を論じている。「論拠のはっきりした政府表明を出せ」と本の最後に胡錦濤中国首相、盧武鉉韓国大統領にあてた声明書の私案をつけているが、上坂さんらしいアイデアだ。
 この本を上坂さんは手術後、抗がん剤投与のため、入院中、10日ほどで書き上げたという。四百字詰めで約二百枚。
「なにか取り付かれたようになって、三日徹夜して書き上げたのよ。朝、看護婦さんが来て、びっくりしてた。病院で徹夜した患者は初めてですって」
 そりゃそうだろう。ふつう抗がん剤を打てばぐったりして仕事どころじゃないのに、どこからそのエネルギーが沸いてくるのか。
「その時、ベッドで食事するためのスライド式のテーブルを使ったんだけど、あれが具合いいので退院してから、買ったのよ。だけど、やっぱりダメね。アンタ、使わない?」
 と、言われてもなぁ。

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2006-04-12

4月10日 自衛隊艦上レセプション

 晴海に入港中の海上自衛隊練習艦隊の艦上レセプションに行く。会場は練習艦かしま(4050トン)の艦首。自衛官たちが整列し、敬礼で迎えてくれた。
 『戦艦大和最後の乗組員』の著者八杉康夫さんに聞いた話だが、海軍の敬礼は腕を横に広げず、脇をしめてするのだという。艦内が狭いので、昔からそういう形になっているらしい。改めて観察してみるとたしかにそういう敬礼だった。
 敬礼には敬礼で返さなくては失礼なのかなとは思ったが、ちょっと恥ずかしくてできない。礼をしつつ列の間を抜ける。
 艦の上は寒い。
 齋藤隆海上幕僚長らも出席。勲章をつけた制服が似合っている。制服を着ているだけで、いかにも軍人らしくなってしまうのだから不思議なものだ。
 若い隊員に話を聞く。防大を出て5年目。
 訓練射撃(主砲など)、訓練発射(魚雷)は年、1、2度とのこと。予算の関係もあるのだろうが、イザという時ちゃんと射撃、発射ができるのだろうか。
 古庄幸一前海上幕僚長とも久し振りに会った。
 古庄さんの話。
「船は英語で女性名詞ですよね。Sheと言うでしょ。なぜだかわかりますか。いろいろ説があるんです。①喫水線の下がまるでスカートをはいているようだから。②ちょっと品がわるい表現ですが、男しか乗せない。実際には女性自衛官が乗っている船もあるんですがね。もう少し品が悪い説ががもう一つあるんですが……」
 これは伺ったけれど、品が悪いのでカット。

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居酒屋に見る「回帰現象」

なぜ昭和三十年代への回帰が望まれるのか。
決して裕福ではなかったけれど、楽しかったあの時代、といったノスタルジーでしょうか。
三十年代を懐かしむのは老若男女問わないようです。
その時代に青春を過ごした人。
その時代に子供だった人。
その時代には影も形もなかった人。
私は影も形もなかった人間ですが、なぜか「昭和レトロ」と呼ばれる三十年代の雰囲気に惹かれます。

それは一体なぜだろう?と思っていたら、本誌4月号「戦後史この一枚」の中で、藤原さんがおっしゃっていたのを聞いて納得いたしました。
「チベットの既視観にまつわる考え方では、胎児は母親の夢を一緒に見ている」
これはきっと夢だけではなく、現実に見ている風景も受け継ぐのでしょう。だからこそ三十年代生まれの母を持つ私(や私たちの世代)は、「昭和レトロ」に対してある種の懐かしさ、ほっとする気持ちを感じるのでしょう。それは戦後ベビーブームに生まれた団塊の世代が、「反戦平和」をより強く訴えることにも当てはまるのかもしれません。戦争体験者である両親の、戦争中見た映像を受け継いでいるとしたら、何が何でも「反戦」となるのもやむなしなのかもしれない、という意味です。

さて、これとお酒と何の関係が…?と思われているかもしれませんが、まさにこの「昭和レトロブーム」は数年前から流行りはじめ、現在居酒屋業界で花盛りなのです。

私の大好きなお店が「半兵衛」です。
http://www.hanbey.com/index.html

店内の作りはもちろんのこと、メニューも値段も「三十年代風」!とにかくおいしくて安いので、ついついお酒も進む……。さらに「キャベツ盛り」はタダ!そのためグダグダ何時間でもいてしまいます。五時間いて、絶え間なく飲んだにもかかわらず一人3000円で済んだ記憶があります。え、誰かが私の分の割を食ったんじゃないかって?………違う…はずです。何せ焼き鳥は50円から!サワーの類も330円(税抜き)!

そしてこちらも。「六本木駄菓子バー」。
http://r.gnavi.co.jp/g485009/

まだ行ったことはありませんが、あの勝ち組が群がる六本木にこのようなレトロ居酒屋が出現するとは。時代の流れでしょうか。値段は「半兵衛」に比べると、土地代のせいもあってかちょっとお高めです。

最近では「立飲み屋」もはやっているそうです。古きよき時代に思いをはせ、出来るならばもどりたいと願う「回帰現象」が起こっているのでしょうか。

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2006-04-11

3月27日 小野田寛郎さん

 2月号に掲載した小野田寛郎さんと中條高徳さんの対談を中心にして『だから日本人よ 靖国に行こう』という本を近く出版する。
 その最終打合せのため小野田さんが来社。
 つい先日、ブラジルから帰国したばかり。冬の寒い間はブラジルに戻り、牧場の経営に専念している。84歳の今も、自ら馬に乗って牛を追っているという。
 いろいろ話を伺っていたら電池が切れたらしくテープが止まってしまった。
 単3の電池を持ってきてもらって入れ替えていたら、慌てていたせいで、古い電池と新しい電池が入り混じってどれがどれやらわからなくなってしまった。
 と向かいに座っていた小野田さんが、指さして、「これとこれが新しい電池です」。
 鋭く僕の手元を観察していたらしい。
 さすがだ。これくらいの観察力、注意力があるからこそ、ルバング島で30年間も生き延びることができたのであろうと改めて感心した。
 小野田さんでもうひとつ驚いたのは、長時間、トイレに行かないで我慢できること。
「山中でおしっこをすると、その臭跡をたどられて発見される恐れがある。それで、なるべくおしっこしないように訓練したんです。長い間、そうしていたので、今も1日に1回ぐらい行けば大丈夫」。

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2006-04-03

おにぎり食べたい。

 再び初日に見に行きました。初日といっても、その映画館で上映されるのが初日ということで、映画自体は違う映画館でもう公開されていました。だから、初日の初回でも混んでいないだろうと思って出かけましたら、ところがどっこい(この表現も古いなぁ)、既に100人近くのお客さんがいました。何がなんだか、世間の流れがわからない川島です。それって編集者としては致命的な気もします。

 見に行ったのは『かもめ食堂』です。

 フィンランドのヘルシンキ市で「かもめ食堂」という日本食の食堂を経営しているサチエ。しかしお客さんは全然来ず、唯一のお客さんは日本かぶれのトンミだけ。彼からガッチャマンの歌を聴かれ、思い出せずアタマの中で「誰だ、誰だ、誰だ」がリピートする。そんな時に本屋でミドリを見かけ、思い切ってガッチャッマンの歌を知っているかどうかたずねてみる。

 文章にすると、なんてヘンテコリンな出だしでしょう。キーになるのがガッチャマンの歌という物語。
 監督・脚本は『バーバー吉野』の荻上直子。出演は小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ。他に『過去のない男』のマルック・ペルトラも出ていて、この配役、好きな人にはたまらないでしょう。

 原作は群ようこ。原作を読んでみたのですが、この作品は映画の方がいいと思いました。極稀に原作を凌駕する作品もありますが、基本的に映画化したものは原作を越えられない、と思っています。
 文章で読んで自分が想像した世界が映像化されることにより、一つのイメージに固定されて、どうしても自分のイメージとの違和感が生じてしまうからです。
 もう一つ、何百ページと展開していく小説を、わずか2時間ほどにまとめてしまうのですから、どうしても言葉足らず、濃さ不足になってしまう。
 ところが、『かもめ食堂』は、その描ききれないところを最大に利用しています。つまり、説明できないのなら全く説明しない、という演出。「まぁ、別に全部を知らなくたって、いいんじゃない?」という気持にさせるのは、監督、脚本、つまり荻上直子の手腕でしょう。
 
 やりたくない事はせず、「大丈夫、多分」と言いながら日々を過ごす。 とりあえず美味しいものを食べながら考えよう。
 「人はみんな変わっていく」からこそ、まだ変わっていない現在を楽しむ。
 大きなテーマはありません。メッセージもありません。絶望はないけれど、希望もありません。ただ日常を切り取っただけの映画。ただそれだけなのに、何故これほど力強く、ほっとさせて、笑えて、幸せな気持にさせてくれるのでしょうか。
 『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』とは違った意味で、いい作品です 。

 終わった後に食べたくなったのは勿論おにぎり。こんな食堂が近くにあったらなぁと思わずにはいられない。そんな作品です。日頃の生活に疲れている人(そうじゃない人にも)(結局、全員ですね)、お薦めです。

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