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2006-03-23

たしなむ程度にツイストを。

 更新しているのは小島GMと私だけ。野球と映画。どんな雑誌のブログでしょう。

 話は変わりますが、最近「映画館は常に激混んでいる」というイメージが頭の中にあって、どんな映画でもやたらと早めに会場に入ってしまいます。もの凄く込む映画なんて昨今ではハリウッド大作か純愛映画ぐらいで、自分が好んで行く映画はそんなに混まないジャンルなのに、です。
 この映画きっと混みまくりだ!と思い込み、もの凄く早く行き、席は好みの席を獲得できましたがガラガラでした。うーん。
 
 今回見に行ったのは『ウォーク・ザ・ライン』です。
 主演は、「兄貴が伝説の俳優、リバー・フェニックス。演技力イマイチだけど今回は頑張った」ホアキン・フェニックスと、「あごはしゃくれているけど、今もっとも輝いている女優」リーズ・ウィザースプーンです。ウィザースプーンはこの映画でアカデミー賞を取り、何でも女優として一本あたりのギャラがジュリア・ロバーツを越えたらしいです。

 内容は、ジョニー・キャッシュという実在したミュージシャンの話です。エルヴィス・プレスリー、ジェリー・リー・ルイスなどがいた、古き良きロックンロールの時代。思わずツイスト。でも、正直に言えばホアキン・フェニックスはジョニー・キャッシュよりもエルヴィス・プレスリーの方が似ている気がしました。いや、プレスリーよりも、ザ・スミスのモリッシーでしょうか……。知らない方は検索してください。

 主演の二人は、実際に歌っていてこれまた上手い。楽曲もいいものが多いので、聴いていて楽しかったです。
 ただ、いかんせん物語が普通です。

 少年時代は貧乏の底にいて、寝ても覚めても音楽のことばかりを考え、あるキッカケでデビューして、ドンドン売れていき、トップになったもののそれにより自分自身を見失い、酒とドラッグに溺れていく……。
 これはよくあるミュージシャンの話です。ジョニー・キャッシュはこの後、きちんと更正して長生きしました。ローリング・ストーンズやエアロスミスのようにドラッグから更正したミュージシャンはたくさんいますけど、映画としてはちょっと弱くなってしまいます。

 例えば、シド・ヴィシャスの様に恋人のナンシー・スパンゲンを刺殺し(とされている)、逮捕されるものの釈放され、その後もスキャンダラスな行動をし、ナンシー殺害から3ヶ月後に「ナンシーが待っている」と残し、ドラッグの過剰摂取で死亡したとか(映画『シド・アンド・ナンシー』)、カート・コバーンの様に、音楽が好きな田舎の少年があっという間に時代の寵児になり、それによって自分自身を見失い、精神病になり、ドラッグにはまり、最後は猟銃で自分の頭をぶっ飛ばしたとか(映画『ラスト・デイズ』)。
 
 まぁ、別に激しいドラマがなくてもいいんです。ただ、この映画はちょっとどうかと思う部分があるのです。
 それは、ドラッグから回復するのが「愛の力」だということです。つまり、映画のテーマが「最愛の女性と結ばれること」なんです。それが妙にアメリカ的というかハリウッド的というか、なんだかなぁと思ってしまいました。そりゃ愛しい人がいるというのは力になると思うのですが……。簡単過ぎませんかね、と問いかけたくなってしまいました。

 音楽はとてもよかったんですけどね。
「ジョニー・キャッシュのCDを買えばいいんじゃないか?」
 という声が聞こえてきそうですが、反論できないのでスルーさせていただきます。


 同じ時期に『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』も見に行きました。

 トミーリー・ジョーンズが監督・主演です。脚本は『アモーレス・ペロス』『21グラム』のギジェルモ・アリアガ。カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞と最優秀脚本賞を受賞した作品です。タイトル、キャストからしてもの凄く私好みなので、期待していきました。
 
 果たして、期待通りどころかそれを上回る作品でした。
 もの凄く深遠なテーマを、時間が前後する脚本で、落ち着いた演出で、物語として展開していく。トミーリー・ジョーンズは初監督作品にして、映画史に残る作品を作ったことだけは間違いありません。

 こちらの感想も書こうと思ったのですが、うまく言葉にできませんでした。

 約束、友情、尊厳、成長、理解、土地、国、男、女、愛、憎、生、死……。

 万人受けはしないかもしれませんが、とにかくいい作品です。少しでも興味ある方は見に行ってください。

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コメント

川島さん、お疲れ様です。こちらでははじめまして、です。
映画の話はいつも楽しみにしております。私はミュージシャンは破滅型でないとドラマにならないと思っておりますが、最近はそういう人いませんね。ジョニー・キャッシュは過去の人ですが。90年代以降生き急いでる感のある人がいないように思います。個人的にはおととし(でしたっけ?)のエリオット・スミスの自死が、衝撃でしたけど。
『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』は私も観に行こうと思っております。...が、行かれるのだろうか。

投稿: コトリ | 2006-03-22 19:13

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