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2006-02-02

私的WBC論(2)

前回の更新から中二日。今年はこんな感じで更新できたら“最高デ〜ス”。

というわけで早速、前回の続きといきたいと思う。前回は私的全日本論を述べたが、今回は本題のWBC論を述べたい。
約1カ月前だというのに、未だに参加者辞退が相次ぐWBC。サッカーのワールドカップの如く、世界一の王者を決める大会のはずなのに、なぜこんなにも選手間によって温度差があるのだろうか。大きく分けて問題点は次の三つが挙げられると思う。
①開催時期②選手の補償問題③大会における収入の不透明さ
この三つの問題点について、ワタクシなりの論を述べる。
①について。これは日本プロ野球選手会が最後まで問題視していたのだが、確かに開幕前の開催というのはいろいろと問題点があるだろう。しかし、公式戦終了後の開催となるとそれもまた問題がある。日本シリーズ、ワールドシリーズが終わるのを待ってからの開催となれば、代表チームとしての調整を含めると、早くても11月中旬の開催となるだろう。そうなると、ポストシーズンに進んでいないチームの選手たちは、1カ月〜1カ月半も実戦から遠ざかることになる。これはある意味、開幕前の開催よりも問題になるはずだ。実戦不足の不利については、昨年の日本シリーズでの阪神の例を見れば明白だ。これが第一の問題。開幕前、公式戦後とも問題があるとすれば、残るのはシーズン中しかない。そう、シーズン中に開催すればいいのだということになる。
②について。これはオリンピックにおける選手派遣時にもたびたび問題になっている。この問題は実はとても根が深い。プロ野球の選手は当然のことだが所属球団から給料を貰っている。それについての対価は、優勝=日本一(ワールドチャンピオン)となることである。しかし、WBCなどの国際大会に参加するためにチームを離れることになればその間、チームはその選手抜きで戦わねばならない。結果、公式戦で優勝を逃したら、いくら国際大会で優勝しても、球団にとってみれば本末顛倒と言わざるを得ない。極論を言えば、球団にとって国際大会の優勝などは全く関係のないことなのだ。
さらに重要なのは、球団にとってもだが選手にとっても大きな問題があるということだ。大会参加中に選手生命を脅かすような負傷に見舞われたときのことである。もちろん、公式戦においてその危険が全くないということはない。しかし、公式戦であれば“公傷”として認められるものでも、国際大会での負傷となると球団にとっては戦力的な損失ばかりか、何のプラスにもならない金銭的損失だけが残る。選手にとってみても、引退後の補償について、公式戦中での負傷であれば全面的にバックアップをしてくれるだろう。だが、国際大会での負傷がもとでの引退となれば、球団から全面的なバックアップはしないと言われても、反論することはできないかもしれない。
つまり、国際大会期間中のそれらの補償を球団に拠っていることが第二の問題なのである。このことがオリンピックにおけるプロのチームが選手派遣に反対した理由で、選手側の消極的な参加意志表明の背景となっている。
③について。これは特にメジャーの選手が問題にしている点である。WBCの一次予選は米本土とは関係ない場所で開催される。例えば、日本が参加するアジアリーグは東京ドームで行われるように。しかし、二次予選以降は米大陸本土での開催となり、本土で開催された試合の収益は全てMLB機構に入る仕組みとなっている。そのため、ヤンキースのシェフィールドが「機構の金儲けの大会」と痛烈に批判した。つまり、FAなどによって選手の年俸が高騰したことによる、MLB機構の財源確保のための大会としての面も多分にあるということだ。純粋に力と力を競う大会であるならばいざしらず、お金のための大会には何の魅力も感じないとする選手の言い分も一理あるわけだ。これが第三の問題点。
これらのことを踏まえて、私的に論じてみる。
❶WBCの開催を4年に1度とする。夏期・冬期オリンピック、サッカーのワールドカップ開催年とは別の年に行う。
❷開催時期は、6月もしくは7月の1カ月間。
❸その間は、各国とも公式戦は中断する。
❹日本の公式戦はWBC開催年に限り、セ・パ共に前後期の二期制とし、日本シリーズ前に前後期の優勝チームが七回戦制のプレーオフを行う。前後期の優勝が同一チームの場合は、年間の成績が二位のチームとプレーオフを行う。その場合、一位のチームに一勝のアドバンテージを与える。
❺WBC開催年は、日本野球機構へプロ野球12球団から各1億円を供出する。WBC期間中の日本代表選手の年俸分の割り当ては供出金で賄う。また、その期間中に発生する費用も供出金で賄う。
❻WBC期間中の選手の故障の補償に関して、その選手の故障が完治するまでの治療費等は供出金で支払う。また、選手寿命に係わる重大な故障の補償については、その故障がもとで引退した場合、当該年の残りの年俸の半分ずつを球団と機構で負担する。また、引退後の補償は機構が全面的にバックアップをする。
❼WBCの大会運営について。予選から決勝までは同一国内で開催する。開催国は、当面アメリカ、日本、韓国、ドミニカで持ち回る。その後、開催基準のレベルに達した国を順次追加していく。収益金のうち、開催費用を引いた利益は開催国が1/3、残りを参加国(もしくは二次リーグ進出国)の野球機構に分配する。日本についていえば、その分配金で補償の補填をする。

これがワタクシなりのWBC論である。これならば、諸問題をクリアすることができ、真の意味の世界一を決定する大会になるのではないだろうか。

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