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2005-12-13

ようこそ、奇妙な世界へ。

 相変わらず誰も書かないわけで。
 「書いてください!」と編集部の真ん中で叫んでみたわけで。
 まぁいいです。
 
 さて。
 しばらくメジャーな作品が続いていたので(いました?)、今回はちょっとマイナーな映画を見に行きました。『ロバと王女』という作品です。

 もしかしたらタイトルは聞いたことがある方もいるかもしれません。原作は「シンデレラ」を書いたフランスの童話作家シャルル・ペローの作品です。原題は「ロバの皮」。
 監督はジャック・ドゥミ。名匠といっていいでしょう。『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』など、独特のフレンチ・ミュージカル作品を作りました。1978年には池田理代子の『ベルサイユのばら』を映画化しています。未見なのでどういう作品なのかはわかりませんが、気になるところです。
 音楽はドゥミとコンビを組んで数々の珠玉のナンバーを作り上げたミシェル・ルグラン。ちなみにまだ生きています。
 この二人が組んでいるので、当然この作品もミュージカルです。

 はい。
 ミュージカルと聞いて眉をひそめた人、嫌悪感を抱いた人、おそらく少なくないと思います。タモリを代表として、ミュージカル嫌いの方は結構いると思います。普通に物語が展開していたのに、急に歌い踊りだすのに違和感を覚えるからでしょう。何を隠そう、私がそうです。嫌いとまではいかないまでも苦手です。
 しかし、それでもなおドゥミ・ルグランの作品はオススメできます。なんといっても歌がいい。前述した『シェルブール』『ロシュフォール』は最高です。一度でいいから見て欲しい、聞いて欲しいです。

 この映画はビデオでもDVDでも発売されていない作品です。デジタル・リマスター版。最近の映画技術の進歩が感じられます(それでも色がちょっとおかしかった気がしますが)。
 主演はカトリーヌ・ドヌーブ。言わずと知れたフランスを代表する大女優、の若かりし頃。今は妖怪(褒め言葉)みたいですが、この頃のかわいいこと! それでも計算すると27歳ですから、やはり妖怪です。ちなみにドヌーブは『シェルブール』も『ロシュフォール』も主演です。これまたかわいいので是非。

 物語ですが……なんと言っていいのやら。オフィシャルサイトから引用すると、

宝石を生むロバのおかげで大変裕福な王がおりました。 しかしお妃が「私より美しい女性と再婚して欲しい」と遺言を残して亡くなってしまいました。 お妃より美しい女性はこの世にただ一人、王女だけ。 王は王女に結婚を申し込みます。 困った王女はロバの皮に身を隠し、姿を消してしまいます。 家畜の世話係として暮らし始める王女。 正体を知らずに王女に一目惚れする王子。 幸せをつかむために王女が考えた、恋の魔法とは…。

 サラリと書いていますが突っ込みどころ満載です。
 まずファンタジーなんだから「宝石を生むロバ」がいてもいいけれど、何で再婚相手が自分の娘やねん。それで、何で「ロバの皮に身を隠」すねん。
 まぁこの後もいろいろ言いたいことが起こります。起こるんですけど、その頃は見ている方もその奇怪な展開、世界の住人になっているので問題ないでしょう。実際、私は受け入れてしまっていました。
 この非常識極まりない物語、世界観を受け入れることができたのは「慣れ」以外にも理由があります。それは“色”です。
 映画を見ていただけないとわかりにくいかもしれませんが、かなり独特な色彩感覚で画面は彩られています。一歩間違えれば悪趣味になりかねない、ギリギリの色彩により、受け入れ態勢が整えられた気がします。

 なんやかんやと書きましたが、よい作品でした。しかし、個人的にはルグランの音楽はそれほどいいとは思いませんでした。
 もし興味を持った方がいたら、先に『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』を見るのをオススメします。こちらはまだ奇怪な物語ではありませんし。

 いやぁ改めて思い出しても……凄い話です。よくこの物語を映画化(しかもミュージカル)しようと思ったものです。完全にやりきったからこそ面白い作品になったんでしょう。

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5.龍さんの『ポップコーンキネマ』」カテゴリの記事

コメント

初めまして
花田編集長のファンでして
まだ週刊文春の頃からの

その頃、私の憧れの紳士に
花田さんに似ていると申し上げたら

最近会ったら「bunnちゃんは、知的だから」
花田さんの事知っている=知的

普段バカキャラで通っていますので嬉しかったです。

ここには、知人に『シェルブールの雨傘』を紹介するので検索かけていて
迷い込みました。

ところで
その後に奥様がお創りになった
『ジャック・ドウミィの少年期』
花田さんご覧になりました?
知人に薦めました
今度会ったら聞いてみてください
知人は、花田さんのお友達ですから

それと、花田さんに似ていると申し上げたら
それをずーと覚えていてくださった紳士
最近お目にかかったら
花田さんより素敵になっちゃった(o^v^o)

言葉って人を生かしもするし殺しもしますね。
貴誌の益々の隆盛を祈念します。

投稿: bunn | 2005-12-30 09:07

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