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2005-08-09

ヒトラーという男。

 ヒトラー ~最期の12日間~

 「世界震撼。全てを目撃した秘書が今明かす、衝撃の真実」
 というコピーがオフィシャルサイトにデカデカと出てきます。最期の2年間秘書をした女性が語っているので、確かに真実の姿なのかもしれませんが、実際映画を見てみるとそんな印象は受けません。「真のヒトラー像」という衝撃的なものではなく、生々しい「人間・ヒトラー」と「ドイツの敗北」が描かれています。

 映画は面白い、というより重苦しいです。
 地下基地に閉じこもり、いつか逆転をと考えているヒトラーと軍部。それに反比例するように最悪に向っていく地上の市民。終われない、終わらせられない、終わりたい、終わってくれ……戦争という状況に疲労しきって、軍の中でも終わりたいと思う者が現れ始めても、なお突き進もうとし、やがて破綻を迎えるヒトラー、そしてドイツ。結局、何が残ったかといえば、何も残りはしなかった。

 日本映画で、ここまでフラットに、真正面からあの大戦を描いた映画はないと思います。というか、作れないと思います。それは、日本には「天皇」という最大のタブーがあるからです。我々日本人が本当にフラットな気持ちで「天皇」という存在を真正面から作品として描けるのか。難しい問題です。何だか別の話が始まりそうなので、これは置いておきます。

 素直に楽しめる映画ではないです。事前の知識がないと誰がどんな人やらサッパリかもしれません。しかし、こういう映画を見てゆっくりと戦争や自国について考えるのも、またいい映画の見方だと思います。役者もかなり力の入った演技で、その点でも見ごたえ十分。力作、という言葉が似合う映画です。

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コメント

おいおい、ヒトラーや創価学会と、天皇家を同列に扱うなよ・・・
日本は、天皇制の継承により建国以来、どこかの属国にならなくて済んだんでしょ。

投稿: 日本人 | 2005-11-27 22:00

自分は、「ヒトラー総統」に、この30年程憑依されている46歳ですが、我が国には、もしまだそう呼べるとして、「タブー」すらありません。「天皇家」「創価学会」「自衛隊」が三大タブーでしたっけ?答えは、心中に有り。11月号から買いますので、それで勘弁して下さい。期待しております。

投稿: 臼井 稔勝 | 2005-10-24 13:49

はじめまして。
人民帽の表紙を見て以来のWiLL誌読者です。(笑)

昭和天皇と正面から向き合った作品としては、日本映画ではないですが、ソクーロフ監督作品の「ソーンツェ(太陽)」というのが話題に上ったことがありますね。
結局産経新聞を読んでいても続報がないのですが、あの映画はどうなんでしょう?
ヒトラーを描いた監督でもあるソクーロフが昭和天皇をどう描いたのか(確か主演はイッセー尾形だったような)非常に興味があります。

投稿: Zhertva | 2005-08-10 09:22

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