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2005-07-28

7月19日 鈴木久雄さん 

 久しぶりに麹町の焼肉屋東生苑に行った。9月号の校了が早く終ったのでスタッフと一緒に。
 文春にいた頃は毎週のように来ていた時期がある。あの頃はよく仕事もしたが、よく遊び、よく食べた。ご主人の鈴木さん夫妻は気さくないい方たちで親しくしていた。
 相変らず肉は極上。若いスタッフがうまいうまいと食べるのを眺めているのは気持がいい。驚くほどの食欲。若いっていいなぁと感慨にふけっていると、白髪混じりの髪を短くした中年男性が入ってきた。ニコニコしている。
 一瞬わからなかったが、ご主人の鈴木久雄さんだった。
 小さなカードを差し出す。
 見ると、「言葉が不自由なので、ゆっくりしゃべってください」と書いてある。
 脳梗塞の後遺症だという。
 それでもゆっくりならしゃべれる。言いたいことは伝わる。
 7年前に発病し、やっとここまで回復した。たどたどしい言葉で一所懸命説明してくれた。そういえば、何回か来た時も会わなかった。
 ぼくが来たのをとても喜こんでくれた。
「そうか。でもよくここまで……。よかったねぇ。頑張ったねぇ」
 思わず涙がこぼれそうになって困った。
 鈴木さんはとても研究熱心だった。
 ぼくが他の焼肉屋で食べて、あそこがうまかったと報告すると、すぐにその店に行き、自分で食べてきて、次に行った時に解説してくれる。いいところはすぐに取り入れる。
 帰りに一階を覗くと調理場で以前と同じように指揮をとっていた。
「鈴木さん、また近いうちに来るね。奥さんにもよろしく」
 握手をした。
 とてもいい笑顔だった。
 誰も一所懸命に生きている。そして生きているからこそ、再び会うこともできる。人間はやっぱり素晴らしい。

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2005-07-27

7月14日 田原さんのパーティー 

 田原総一朗さんが自選集全5巻を刊行し、『オフレコ!』を創刊(ともにアスコム)したのを祝って出版記念会。場所は全日空ホテル。
 田原さんとのつき合いも30年近くなるが出版記念会は初めて。
 いきなり、挨拶させられ、以下のようなことをしゃべった。

 私が雑誌の編集者になって幸運だったと思うことがいくつかありますが、そのひとつは田原総一朗さんと立花隆さんという当代きっての優れたジャーナリストお二人と一緒に仕事が出来たというか、お二人の仕事を間近に見ることができたことです。
 よくジャーナリストに必要な条件は何かと聞かれることがありますが、私はこう答えることにしています。
 ①に体力、②に好奇心、③はケツが軽いこと。
 そう言ったらある若い女性が、お尻が軽いことですねと、女性で尻が軽いのはいけません。ここはやはりケツじゃないと。
 田原さんも立花さんも①②の体力と好奇心、これは甲乙つけがたい。但し③が違います。
 立花さんは実はケツが重いんです。若い頃、『週刊文春』の記者をやっていて、先輩の堤堯さんに「堤さん、人に会うのが怖くないですか」と聞いたそうです。堤さんが「バカ、人と会うのが怖くて週刊誌の記者がつとまるか」と叱ったというのですが、立花さんにはそういうところがあります。本来、ブッキッシュな人なんです。
 そこへいくと田原さんは、一般的に言えば今や大先生なんですが、どこにでもヒョコヒョコ出かけていって人に会う。立花さんを書斎派としたら田原さんは行動派と言ってもいい。
 ところが近年の「日本の戦後」などを読んでもわかるように田原さんがこのところお年のせいもあろうか、かなりブッキッシュになってこられた。ブッキッシュになった田原さんが今後、どんな仕事をされるか、ますます楽しみです。
 もうひとつ、実は私、昨年『WiLL』という雑誌を創刊しました。で、「還暦過ぎて編集者やってる人はいるかもしれないけど、還暦過ぎて雑誌を創刊するバカはいないだろう」と言ってたんです。
 ところが、今度、田原さんが『オフレコ!』を創刊した。田原さんは還暦どころか、もう古希です。田原さん、お互いいつまでもバカやってましょう。
 
 姜尚中さん、福島瑞穂さん、加藤紘一さんらが挨拶したがおもしろかったのは田丸美寿々さんの挨拶。
 ある時、田丸さんが田原さんに聞いたという。田原さんは、グルメでもないし、旅行するわけでもない。酒も飲まない。クルマの運転もしない。何か蒐集してるという話も聞かないけど、いったい田原さんは何が趣味なんですか。
 たしかにそうだ。長い付き合いでも、田原さんと遊んだ記憶はない。いつも仕事ばっかり。
 田原さんが田丸さんに答えていわく、「ぼくの趣味は人間だ」。
 そんなエピソードを披露して、田原さんにチュッとキスした田丸さんがとても素敵でした。いい歳のとり方をしてます。相変わらずとてもきれいな脚でした。
 もうひとつ、この日、何人か政治家が出席していた。
 加藤紘一氏、安倍晋三氏らが挨拶した。
 二人ともさすがに挨拶はうまい。
 いけなかったのは小沢一郎氏。会場にいるのをみつけた田原さんが、ぜひひと言と頼んでいるのにイヤ、イヤと手を振って固辞。逃げるように帰っていった。あんな時、ひと言でいいから話をすれば会場も盛り上がるし、田原さんも喜ぶのに。相変わらずそのへんの気配りが足りない。
 山拓が会場の端にひとり立っていたのですが。淋し気というか、やや影が薄い気がした。

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2005-07-26

7月6日 秋山晴彦さん

 マガジンハウスに行ったので、隣の書店新東京ブックサービスに寄る。
 ここの秋山晴彦常務は書店業界では有名人。本、雑誌には一家言あり、業界の羅針盤として、ぼくは時々話を聞いている。
 奥の誇張でなくうなぎの寝床のような狭い空間(部屋とも言えないので)が店長室。
「いやぁ、売れないねぇ。雑誌もダメ。もう本屋はダメだよ」
 ダメ、ダメとイキナリ、キツイ一発。
「ウィル、絶好調なんですよ」
「そうかい。うちで何冊売れてるかな。十五、六冊だね」
 マガジンハウスの隣なので木滑さん(良久会長)や淀川さん(美代子常務『ギンザ』編集長)もよく立ち寄るこの店、秋山さんの好みとカンで独特の品揃えだ。
「でもね、今、この文庫、売ってやろうと思ってるのよ」
 前の平台に山積みにされた文庫は朝日新聞社から十年ほど前に出版された池田弥三郎さんの『銀座十二章』。奥付を見ると初版のまま。
「売れなかったようだけどね、いい本なんだ」
 池田弥三郎さん(故人)は慶応の国文の名物教授。銀座のてんぷら屋「天一」の跡取り息子だった人。
 早速、一冊買って読んでみたが、これが滅法面白い。明治、大正、昭和の三代にわたる銀座の変換を豊富なエピソードを交えて語り当時の銀座が彷彿とする。
 銀座四丁目の角にあった天一を、今の和光が強引に買い取る話など、当事者ならではの秘話。
 こういう隠れた良い本を、「売ってやろう」という秋山さん。まだまだ書店業界は大丈夫だ。

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心、弱すぎ。

  『スター・ウォーズ エピソードⅢ シスの復讐鑑賞。

 ようやく見ました、『スター・ウォーズ』
 それほど「スターウォーズ」シリーズに思い入れはありませんが、ダース・ベイダーを大画面で、あの曲と共に観ることができると思うとわくわくし、かなり楽しみではありました。

 「シリーズ中最高!」「よかった!」「感動した!」
 という感想が入り乱れている中で言うのも何ですが、正直ガッカリと言わざるを得ません。観る前の期待が大きかったからかもしれないが、「こんなもん?」という思いが強いです。
 
 アナキン・スカイウォーカーがフォースの暗黒面に落ちてダース・ベイダーになるという、既に知られている結果に対してどう物語を展開するか、特に重要なアナキンが暗黒面に陥ってしまう“理由”。
 その“理由”が、私としては「え? そんな理由で?」というものだったのです。簡単に書けば“愛”なわけですが、いくらなんでもそれだけで今まで信じていたもの全てに背を向けるのか? いや、わかりますよ、気持ちは。わかるけども……単純過ぎるというか。細かく突っ込むとネタバレになるので書きませんが、いくらなんでもちょっと弱いんじゃないかと思いました。 あれだけで暗黒面にいくなんて、アナキン、心弱すぎます。

 もう一つガッカリだったのは、ダース・ベイダー誕生のシーン。
 個人的には、もの凄く大げさに、仰々しく、派手に登場して欲しかったんですが、こちらも弱い。弱過ぎる演出だったと思います。まぁこれは好みです。

 エピソードシリーズはⅡとⅢしか観ていませんが、Ⅱに比べれば数倍面白かったですね。Ⅱでアナキンとパドメがお花畑で追いかけっこした時はどうしようかと思いましたが、あれも(とても大きな意味で)複線というか、演出に一つだったんでしょうね。この後、旧作(エピソードⅣと言えばいいのかな?)を観たくなりました。
 ただ、自分の中ではランキングは低いです。

 と、感想を友人に言ったら、
「ファンが喜んでる部分はおそらく4,5,6を見ていない君にはサッパリわからなかったのではなかろうか。特に6のラスト付近を観ていないと、3の良さ、アナキンがダークサイドに落ちるあたりの何が良いのかわからないと思う」
 と言われました。
 いえ、私は4,5,6全部見ているんですが、それでも落ちるのは納得できません。

 そもそも、4,5,6を見ていないと面白くない映画というのはどうかと思います。もちろん、シリーズもので、全部見ていないと分らない面白さというのはあると思います。それでも一つの作品として確立されていないといけないのではないでしょうか? 一つの作品で面白く、それでいてシリーズを見ていると更にニヤリ、というのがシリーズ作品のあるべき姿だと思います。「他のを見ていないと何が良いのかわからない」なんて負け犬の遠吠えじゃないでしょうか?

 批判的に書いてしまいましたが、あのクオリティ、映像世界、世界観はやはりずば抜けて、凄い作品だと思っております。

 最大の見所は、今回も大活躍の緑の小仙人ヨーダでした。一家に一匹いるとよさそう。多分素手でも強そうなので、PRIDEにでも出たらチャンピオンでしょう。

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