« 心、弱すぎ。 | トップページ | 7月14日 田原さんのパーティー  »

2005-07-26

7月6日 秋山晴彦さん

 マガジンハウスに行ったので、隣の書店新東京ブックサービスに寄る。
 ここの秋山晴彦常務は書店業界では有名人。本、雑誌には一家言あり、業界の羅針盤として、ぼくは時々話を聞いている。
 奥の誇張でなくうなぎの寝床のような狭い空間(部屋とも言えないので)が店長室。
「いやぁ、売れないねぇ。雑誌もダメ。もう本屋はダメだよ」
 ダメ、ダメとイキナリ、キツイ一発。
「ウィル、絶好調なんですよ」
「そうかい。うちで何冊売れてるかな。十五、六冊だね」
 マガジンハウスの隣なので木滑さん(良久会長)や淀川さん(美代子常務『ギンザ』編集長)もよく立ち寄るこの店、秋山さんの好みとカンで独特の品揃えだ。
「でもね、今、この文庫、売ってやろうと思ってるのよ」
 前の平台に山積みにされた文庫は朝日新聞社から十年ほど前に出版された池田弥三郎さんの『銀座十二章』。奥付を見ると初版のまま。
「売れなかったようだけどね、いい本なんだ」
 池田弥三郎さん(故人)は慶応の国文の名物教授。銀座のてんぷら屋「天一」の跡取り息子だった人。
 早速、一冊買って読んでみたが、これが滅法面白い。明治、大正、昭和の三代にわたる銀座の変換を豊富なエピソードを交えて語り当時の銀座が彷彿とする。
 銀座四丁目の角にあった天一を、今の和光が強引に買い取る話など、当事者ならではの秘話。
 こういう隠れた良い本を、「売ってやろう」という秋山さん。まだまだ書店業界は大丈夫だ。

|

« 心、弱すぎ。 | トップページ | 7月14日 田原さんのパーティー  »

1.花田編集長の『今日、この人に会った!』」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/79109/5585856

この記事へのトラックバック一覧です: 7月6日 秋山晴彦さん:

« 心、弱すぎ。 | トップページ | 7月14日 田原さんのパーティー  »