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2005-06-29

ビートたけしに学べ。

 今回はゲーム、というか暴力表現について書きます。

 まずはこの記事を。
 この『グランド・セフト・オート3』はエグイ演出があるゲームだという噂は聞いております。しかし、それ以上に面白い、という噂をよく聞きます。私は先日『Killer7』というゲームを買いました。ガンアクションゲームです。人が死ぬ描写も出てきますし、血も吹き出ている。案の定、18歳以上推奨です。でも面白いです。ゲームについても語りたいですが、今回は置いておきます。

 先日、15歳の少年が両親を殺害して逮捕された事件がありました。その事件について、いろんなニュースやワイドショーのコメンテーターが、
「“無差別殺人ゲーム”に熱中していたようです、ゲームって怖いですね!」
「そういうゲームをやると残虐性が表に出てきちゃう、ゲームって怖いですね!」
「きっとこの子は現実との区別がつかなくなっちゃったんです、ゲームって怖いですね!」
 と騒いでいました。こういう考え方は楽でいいですね。多分、私が犯罪を起こしたら、今なら前述の『Killer7』をやっていたので、銃を乱射したい傾向があったんだ!となるでしょう。
 さらにゲームのサイトを見たというコメンテーターが、
「感想が書かれていたのですが、“確かにこのゲームをやり終わった直後は、道を走っている車から人を引きずりだしたりしたくなる”とありました……」
 と深刻そうに言っていました。『コーヒー&シガレッツ』の時にも書きましたが、この映画を見てコーヒーを飲みたくなる、『燃えよドラゴン』を見て妙な構えをしながら歩く……などなどしたくなるものです。このコメンテーターはそういう経験がないんでしょうか。映画を見たことがないのか、そこまで想像力がないのか、見てすぐ内容を忘れるのか、この3つの内のどれかでしょう。

 少年犯罪が増え始めてから、その原因をゲームに押し付ける傾向が強くなってきました。JR西の電車事故の運転手もゲーム脳だ!という記事もありました。少女を監禁した青年もゲーム(こちらはアダルトゲームですが)をやっていた影響だとか。
 絶対にゲームに非がないとはいいません。やっている以上、何かしらの影響があるに違いない。しかし、あまりにも短絡的に「ゲームは駄目の駄目駄目だ!」という結論になっている気がします。ゲーム以外でも本や映画やマンガがやり玉に挙げられることが少なくありません。「有害図書」で多くの人の記憶に残っているだろう問題は、『バトル・ロワイヤル』という映画でしょう。中学生が殺しあう、というショッキングな内容のために国やら何やらが非難轟々でした。

 「有害だ!」といって頭からつぶすのが正しいわけがありません。
 子どもに汚いものを見せないように、汚いものを世界から無くす。言ってることは至極まっとうに聞こえますが、結局世の中には汚いものがあるんです。無くなることはない。むしろ、子どもにそういったものを見せて、それがどういうものなのか、どう対処していけばいいのか、教えなければいけないのではないでしょうか。

 前述のコメンテーターたちは、是非ビートたけしのフライデー事件後の記者会見を知って欲しいです。
 ビートたけしがたけし軍団と雑誌『フライデー』編集部を襲撃した事件。事件後、釈放されたたけしは記者会見で記者から、
「人気のある芸能人がこんな事件を起こして、世間の子どもに影響があるとは考えないんですか?」
 という質問をされました。するとたけしはこう答えたのです。
「別にイイコちゃんで売っていたわけじゃない。俺の代わりはいくらでもいる。俺がやったことは悪いことなんだから、親が子どもに『たけしは守るべきものを守ろうとした、ただやり方がまずかったんだ』と言えばいい。それでわかんなかったらその子どもが馬鹿なんだ」
(うろ覚えなので正確ではないかもしれませんがこういうニュアンスの内容です)
 オノレの責任逃れと、オノレの子どもの無能っぷりから逃れたい人間たちにこの発言を捧げます。

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2005-06-23

6月22日 東條由布子さん 

 今日はとても素敵な女性に会った。東條由布子さん、そうあの東條英機元首相のお孫さんである。孫といっても、もう60を越えていらっしゃるのだが、若く、生き生きしている。
 
 上坂冬子さんとの対談では東京裁判のこと、靖国のこと、理路整然と、そして情熱を込めて語ってくださった(次号掲載予定)。
 
「なぜ日本の政治家は中国や韓国に対してハッキリものを言わないのでしょう。経済人が問題なんです。中国相手に儲けることばかり考えている。政治家にも圧力をかけているに違いないですよ。今の中国も韓国も講和条約に調印したわけでもないし、靖国についてあれこれ言う権利はありません」
 東條家の孫娘として筆舌に尽くせぬ苦労をなさったはずなのに、そして話を伺うと現在もいろいろな問題を抱えながら、前向きに生きていらっしゃる姿に感動した。
「陛下は靖国にお参りなさるべきです。サイパンに行かれる前に靖国にお参りしてほしかった。国のために命を投げ出した人たちですから」
 国がやるべきことをやっていないから、と戦地での遺骨収集を続けている東條さんの言葉だけに重みがある。
 上坂さんも相変わらず元気。
「上坂さん、もう恐いもんナシですね」
「そうなのよ、花ちゃんも70過ぎたら、恐いものなくなるわよ。早く70になりなさい」
 早く、と言われてもなぁ。

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いい仕事するね、ジイサン。

 クリント・イーストウッド監督・主演作品『ミリオンダラー・ベイビー 

 アカデミー賞4部門受賞(作品、監督、主演女優、助演男優)したので、さぞかし混んでいるだろうと思いましたが、そうでもなかったです。確かにいい男、女が出ているわけではないし、CMも暗いしこんなもんでしょうか。個人的にはヒラリー・スワンクはステキな女性だと思うのですが。
 最初はコマ劇場近くの映画館で見ようと思ったのですが、チケット売り場に『ガンダム』を見る人の行列ができていました。『ガンダム』ってすげぇ。あまり知らないんですけど、好きな人は好きなんでしょう。 面白いという話はよく聞くので、時間がある時に見てみようと思いました
 
 イーストウッド作品が好きです。西部劇も現代劇も、なかなかの良作が多い。 しかし、前作『ミスティック・リバー』が期待しすぎていたせいか、それほどよくなかった。だから、今回はアカデミー賞受賞したと聞いていても、かなりフラットな気持ちで見る事ができました。
 
 詳しい映画評は、『WiLL』7月号で秋山登さんが評をお書きになっておりますので、そちらをお読みになってください。 私より何千倍的確かつ面白い評です。
 
 それにしてもボクシング、というスポーツは不思議なスポーツだと常々思います。昨今の格闘技ブームとは一味違う位置にある。ただただ殴りあう。それだけなのに、もっと過激な格闘技よりもドラマ性があります。「人間の限界」や「人間の尊厳」を描くスポーツといえば、野球でもサッカーでもなく、ボクシングだと思います。
 
 イーストウッドは超商業主義のハリウッドのど真ん中にいながら、よくこんなシリアスな映画を作れたと思います。イーストウッドが凄いのは、シリアスで良質でありながら、商業的にも(ビッグヒットではなくても)成果を挙げているところでしょう。ヒット作が必ずしもいいとは言いませんが、「ヒット=大勢の人が見ている」ということを考えると、人に見られてなんぼの映画ならヒットした方がいいに決まっています。

 イーストウッドはもう70歳過ぎています。後何本作ってくれるだろう。また西部劇を撮ってくれないだろうか。まだまだ作品を作って欲しいものです。

 余談ですが、吉田真由美さんとお話していて面白かったのが、モーガン・フリーマンが最近映画に出すぎじゃないか?ということ。記者会見にも来ているし、『ミリオンダラー・ベイビー』の時は「笑っていいとも!」にまで出ていました。
「日本に住んでるんじゃないか?」
 ともっぱらの噂です。一時のロバート・デ・ニーロくらい出てます。黒人のジイサンといえばモーガン。そんな気分になりつつあります。

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2005-06-09

すまねぇな!

 今回はライブ評です。

 エレファントカシマシ ライブツアー"すまねえ魂 2005"  
 5.24(火)  LIQUIDROOMebisu

 まず、何が「すまねえ」なのかよく分かりません。そういうアルバムや曲があるのかといえばありません。さらに「魂」までついちゃった日には意味不明度が全開です。

 エレカシのライブは通常のロックバンドのライブに比べると、ちょっと疲れた会社員の方々が多い気がします。自分もしかり。年齢層高め。

 ライブでメンバーの入場、というのは非常に高揚感があります。が、今回はSEもなくのっそりのっそり入ってきた。高揚しないけどエレカシらしいです。
  エレカシのライブで一番スリリングなのはボーカル・宮本とバンドとのやり取り。リハやってんのか? と思うくらい宮本が自由。あるライブでは歌詞ノートを見ながら新曲を歌い、あるライブでは演奏をドラムが少しトチッタ瞬間マイクを投げつけ、あるライブでは演奏がズレっぱなしだったり。噂によると、昔は観客に拍手もさせない、聞く時は正座をさせていたらしいです。すげぇ。
 この日のバンドはハイテンション。テンション高いがエレカシの場合、客がついていけない。新曲なんていいんだけど絶叫にポカーンとしてしまいました。
 
 印象に残っているのは”昔の侍”という曲です。よく考えればこれも凄いタイトルですね。「今の侍」もあんのか? と突っ込みたくなります。
 なんか妙な展開だったということを覚えています。ラストが終わったと思ったら、もう一度歌詞を繰り返す。これはよくあるライブでの演出の一つですが、突然演奏を止めてアカペラ、ついには語りに入り、急に退場。何が意図だったのか、さっぱり分かりません。観客も唖然・失笑を通り押して大笑い。
 エレカシは、こういう不安定さが面白いです。
 
 完璧なエンターテインメントというのは、計算された演出で楽しませてくれます。それが悪いとは思いません。むしろ、好きです。しかし、不安定だからこその面白さも確実にあるはず。そういう不安定さ、不完全なものを楽しむのもまた一興です。

 エレファントカシマシはライブ会場とインターネット限定でライブCDを発売しています。タイトルは『野音 秋』と『日本 夏』。
 『野音 秋』には副題(?)で「日比谷野外音楽堂ライブヒストリー下巻 」とあります。では上巻は?とオフィシャルHPを見てみたらこうありました。
 「※尚、日比谷野外音楽堂ライブヒストリー上巻の発売については未定です。」
 ウォイウォイ。
 では『日本 夏』はどうかというと、こっちには”歴史前夜”という曲が収録されています。これは『扉』というアルバムに収録されている”歴史”という曲の未完成バージョン。どう未完成かというと、歌詞がほぼ全部鼻歌。未完成をライブで披露するのならともかく、何故にそれをわざわざ限定発売しているライブCDに収録するのか?
 エレファントカシマシ、いろんな意味で目が離せないバンドです。

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