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2005-05-26

行け伊良部一郎!

 松尾スズキ主演『イン・ザ・プール

 奥田英朗『イン・ザ・プール』の映画化です。これと『空中ブランコ』の2冊は伊良部一郎という精神科医が主人公で、いろいろな精神病(神経病)の人が出てきて伊良部が解決するんですが、そのやり方が無茶苦茶。治療できてはいるんだが、本当に治療する気のなのかどうかもわからない、爆笑キャラ。なかなか面白く、気軽にも読めるしオススメです。
 私はこの本を松尾スズキ主演で映画化することを聞いた後で読んだんで、もう伊良部が松尾スズキにしか見えませんでした。そしてそれが何の違和感もなかったのがちょっと驚きです。。
 なので、映画を観る前もおそらく、予想通りだが期待以上ではないだろうと思っていました。
 果たしてその通りで、物語は原作に忠実。ちょっと構成が面白かったです。
 しかし。
 しかしです。
 松尾スズキ、怪演。
 あまりにも、嗚呼、あまりにもハマリ過ぎ。面白すぎます。予想通り過ぎて違和感がなさすぎて期待を上回った演技。そんなことがあるのか、といえばあるんです。
 演技の上手い下手ではない。松尾スズキ=伊良部一郎なんです。今度テレビで阿部寛(フジテレビ『空中ブランコ』)がこの伊良部を演じるそうですが、阿部ちゃん、君のことは好きだが如何せん今回は分が悪い。勝てないよ。だって、伊良部は松尾スズキなんだもん。
 原作を読んでいない人は勿論、読んでいても松尾スズキを観る為だけに是非。笑います。
 と、私は思ったのですが、私が観た回は満員にもかかわらず笑いがそれほどなかった気がします。横の女性は全然笑っていませんでした。私は大笑いしていたんだが。何故でしょう? 確かにマイナーな“笑い”な気もしますが。なんせ、脚本・監督がシティボーイズのコント作家(演出も)していた三木聡氏ですから。 う~む、万人向けの笑いではないんでしょうか。その辺は見た人に聞いてみたいです。

 この時の映画予告でなかなか面白そうな邦画をやっていました。
 日本映画にちょっと期待してもいいかもしれません。

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2005-05-12

ハリウッドを鼻で笑う。

 ウッディ・アレン監督最新作『さよなら、さよならハリウッド

 説明不要、巨匠の立場ですがそういうイメージはあまりないウッディ・アレンの最新作です。日本に作品が来るのは3年振りらしいのですが、ウッディ・アレンは年に一本のペースで作っています。もっと日本でやってほしい……と思ったら6月には『メリンダとメリンダ』という作品もやるそうです。どうなってるんでしょう?

 物語は、落ちぶれた監督が元妻の計らいで大作映画の監督をする機会を得る。プレッシャーの中、クランクインを目の前に突然目が見えなくなる……というもの。

 はっきり言えば、物語は単純というかかなり乱暴です。取って付けたようなサイドストーリーはあるし、ラブストーリーの部分もご都合な展開。実は、アメリカで上映されたばかりの時に雑誌『CUT』で酷評されていました。なるほど、アレン好きには物足りないどころか、もしかしたら罵倒したくなる映画かもしれません。
 しかし、個人的にはかなり満足な映画です。
 演出もいいし、セリフが最高にオシャレで面白い。粋、です。日本でも海外でも、こういう粋なセリフを書ける人はそういません。
 そして何より、タイトル『さよなら、さよならハリウッド』(原題:HOLLYWOOD ENDING)とラストの展開によるハリウッドに対する痛烈な皮肉。これがカンヌで公開された、というのも愉快な出来事です。
 今、思いついたのですが、もしかしたら前述した取ってつけたサイドストーリーも、ラブストーリーのご都合な展開も、もしかしたら「こういうのがお好みでしょ?」というアレン流のハリウッドに対する皮肉だったような気がします。

 ちなみに個人的にウッディ・アレンの好きな作品は『アニー・ホール』『マンハッタン』『カイロの紫のバラ』。ベタですみません。『マンハッタン殺人ミステリー』のクライマックスの演出も一見の価値有り、です。

 やっぱりウッディ・アレンはいいなぁ。70歳、まだまだ作品を作っているようです。楽しみ。

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2005-05-05

4月30日 立川談志さん 

 今週は談志さんの話を2度聞いた。26日紀伊國屋ホールの「落語、芸談大会」と30日読売ホールの「談志ごのみの芸人大全2」。
 談志さんは少し声がかすれていたが、元気で相変わらず言いたい放題。26日、のっけに正蔵ことこぶ平について、ちょっとここでは書きにくいようなことをバクロしていた。
 志らくさんの司会で吉川潮さん、山藤章二さんと話をしたのだが、ひとりで喋りまくり。
「こないだゴッホ展、見に行ったんだが、ひどい混雑で、見ないで帰って来た。いやだね、ふだん絵なんて見ないくせに、群がって来る奴ら」
 話が終わって吉川さん、山藤さんが引っ込んだあとも、まだ話し足りない(客が物足りない)と思ったのか、ひとり残ってお喋り。
 相変わらずサービス精神の旺盛なこと。見習わなくては。
 30日の「芸人大全」ではアンジャッシュの電話のコントが圧倒的におもしろかった。
 談志さんは、26日も30日も小話をいくつか披露。そのひとつにアフリカン・ルーレットというのがあった。これは笑える話だが、内容についてはいずれどこかでお会いした時に直接お話します(談志さんのネタなので)。
 その前ふりにロシアン・ルーレットのことを説明した時に、談志さん、「ほら、『ディア・ハンター』でクリストファー・ウォーケンがやったやつ」。
 こういう言葉がすっと出て来るところが談志さんの若さ。
 冗談めかして「オレの話も1年くらいで聞けなくなるかも」なんて言ってたけど、まだまだ元気でいてくれなくては困る。

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2005-05-04

笑って笑って~……“ウイスキー”

 ウルグアイ映画『ウイスキー』(http://www.bitters.co.jp/whisky/

 タイトルの“ウイスキー”という言葉は、日本で写真を撮る時の、「笑って~……チーズ」の“チーズ”の意味の言葉です。確か『あしたまにあ~な』でナレーターの濱田マリがこの映画を紹介した時に、
「チーズは『ウ』で笑顔じゃないけど、ウイスキーなら『イ』で笑顔になっているから理にかなっている」
 というような内容のコメントをしていました。なるほど、確かにその通り。

 物語は、靴下工場を営む男とそこに長年勤めている(と思われる)女性が主人公。男の弟が来るので、女に妻のフリをして欲しい、と頼む。偽夫婦として弟に接していくうちに……。

 “ウイスキー”という言葉により作り笑いができる。作り笑い、作り夫婦……作り続けた先にあるものは?
 感想として書きたいことはあるけど、ネタバレになるので自粛します。見た人、語りませんか?
 監督は“南米のアキ・カウリスマキ”と呼ばれているそうです。確かに説明の排除、ユーモアセンス、映画から感じるテーマなど、似ている部分があります。しかし、カウリスマキよりも説明がない。終わりもかなり唐突で、ブラックアウトした後、スタッフロールが流れた時、客席から戸惑いの声も上がっていました。
 個人的には、あの唐突の終わりは良かったです。説明がないのも、こちらがいろいろ想像できるし面白い。その分、少々退屈ではあったが、その退屈も悪くないと思います。
 『WiLL』で好評連載中の「戦後史この一枚」でもしばしば話題に上るのですが、今の時代は“刺激”(情報とも言います)を求めすぎている気がします。先日『コンスタンティン』の時にも書きましたが、やたらとCGで描かれている映画が多いのは、“刺激”を求めているからでしょう。
 “刺激”は何も考えなくても、「ああ、楽しい」と思えお手軽ではありますが、そのうち飽きます。それよりも“退屈”というものをゆっくりと噛み締めるのは如何でしょうか?
 
 この映画はウルグアイ映画だそうです。話によると日本に初めて来たとか。まだまだいい映画が埋もれているかもしれないですね。世界は広い。

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2005-05-02

4月25日 石川牧子さん 

 日本テレビアナウンス学院でジャーナリズムの話をする。
 院長の石川牧子さんは元日本テレビ初の女性アナウンス部長。いつ会っても話が明解で(当り前か)、やることもテキパキして気持ちがいい。それでいて、美人でセンスもいいのだから、若い頃はモテたろうなぁ(いえ今も)。
 御両親の介護という大変な仕事を経験しながら(『お母ちゃんが起きられなくなった―パーキンソン病との七年間の闘い 東京仙台遠距離介護記』小学館文庫 に詳しい)そんな気配を微塵も感じさせないステキな女性だ。
 若き日の石川さんの失敗談。
 朝の番組を持っていた。ある朝、ふと目覚めると、放送開始時間をとっくに過ぎている。いけない!
「でも女って不思議なのよね。ああいう時でも、まず、いの一番に髪とお化粧をしてるの。30分ほど遅れて、怖る怖る上司のところへ行ったら、その上司が、こう言ったのね。『石川クン、遅れるなら、もっとどーんと遅れなきゃ大物にはなれませんよ』って。あのひと言で救われた気がすると同時に、もう絶対に遅れまいと思いましたね」

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