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2005-02-24

全てが見えた「亡霊」

main 今回は映画について。
 『オペラ座の怪人』(http://www.opera-movie.jp/)

 映画と演劇の違いとは何でしょう?
 ライブではない、という最大の違い以外にもう一つ、「細部まで見えるかどうか」というのがあります。映画は編集し、演出し、様々な角度、アップや引きなどがあり細部まで観ることができる。しかし、演劇はどうしたって一定の距離、一つの方向でしか見ることができない。これがもう一つの最大の違いでしょう。
 『オペラ座の怪人』、原作は本格推理作家のガストン・ルルーによるものですが、ミュージカル作品としての方が有名。今や名作ミュージカルといえば『キャッツ』と『オペラ座の怪人』。
 その作品を映画化。何故いまなのか? よほどハリウッドも題材に困っているかもしれません。
               ▽
 まず結論を書けば「退屈」でした。
 「金返せ!」と言ったり、不満だったとかではないです。多分映画化すればこうなるんだろうなぁ、という想像通りだった。それで退屈と思うのだから、映画には合わないのかもしれないです。
 そもそもファントムが不気味で、不思議で、魅力のある存在でなければいけない。しかし、劇と違い映画だと細部まで見えてしまい、こちらで想像する部分が減る。そうすると妙に具体的な人間になり、魅力が半減。ファントムの魅力が半減したら物語自体の魅力が半減です。
 例えばクライマックスの一つ「シャンデリア落下シーン」も、ファントムが何か細工しているところを見せるし、映画だから本当に落とす。オペラ座の話だから、観客もいて逃げ惑う姿も映す。演劇ならばどう落とした感じに見せるか試行錯誤するから面白いんです。
 ただ「細部まで豪華」というのは退屈なだけ。
 一つだけ「これは無駄で余計で作品を台無しにしている」と思ったのが、時々出てくる白黒のシーン。この映画は白黒の部分が「今」で「昔の事件」を思い返しているという設定。「昔」はカラー。ラストシーンが「今」で、(ネタバレなのでどんなシーンかは書かない)そのシーンもいらないと思う。恐らく、ミュージカルのラスト(有名なのでこれは書くが、ファントムが消える)で終わるのは演出が弱くなるからでしょう。ミュージカルでは椅子に座りマントを頭から被るファントム……マントを剥がずとそこには誰もいず、ただマスクとバラがあった……というもの。舞台だからこその演出だが、映画にすると弱いかもしれない。悪くない演出とは思うけど、取って付けた感がある。
 なんだかんだとイチャモンをつけたが、よく出来ている作品ではある。前述した通り、映画化するのならこれがかなりの出来となるはずです。それでもこう思うのだから……ということ。
               ◎
 ハリウッドならばお金が使えるし、CG技術も発達。「どんな映像でも作れる」と言っても過言ではなくなってしまった映画。全編CG! と謳って宣伝している映画もある。しかし、それは本当に面白いのでしょうか。何でも作れるから細かいところまで作りこみ見せている作品は、技術としては凄いがエンターテインメント(芸術)としては面白くない。なぜなら、我々が作品を見る時はいろいろ想像するからです。いま目の前に提示されている映像(絵、文字、などすべてのもの)を見てそこに“見えない”なにかを読み取ろうとする。しかし、提示されるものが多すぎると逆に想像しにくい。
  自由で何でもできるからこそ、何をすべきなのか考えなければならない。
 映画はどんな映像でも作れるのなら、どこを見せ、どこを見せないか、が大切ではないでしょうか。

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2005-02-18

日本人メジャーリーガー

先々週がNPB(日本プロ野球の略)、先週が高校野球と来ましたので、今週はMLBについてでも語ってみましょうか。
さて、MLBといえばどういうイメージを持つか? 野球をしているものなら必ず一度は夢見る、野球界の最高峰といったような感じを持つだろう。
確かに、圧倒的なパワーに代表されるようにMLBには“最高峰”の名にふさわしい選手が存在している。現役最強スラッガー:バリー・ボンズ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)、現役最強右腕:ペドロ・マルティネス(ニューヨーク・メッツ)、ビッグ・ユニット:ランディー・ジョンソン(ニューヨーク・ヤンキース)、ロケット:ロジャー・クレメンス(ヒューストン・アストロズ)、A-ROD:アレックス・ロドリゲス(ニューヨーク・ヤンキース)、精密機械:グレッグ・マダックス(シカゴ・カブス)などなど、野球人にとってはまさしく魅惑の世界と言ってもよい。
かくゆうワタクシも、小学生のときにその魅惑の世界に見せられた一人である。その頃は、もちろん今ほど詳しかったわけでもないし、熱中していたわけでもない。その当時、最強を誇っていたオークランド・アスレチックスのパワーとスピードに圧倒されていた。バッシュ・ブラザーズ(ホゼ・カンセコ&マーク・マグワイア)、リッキー・ヘンダーソン、デーブ・スチュワート、テリー・スタインバック、ボブ・ウェルチ、デニス・エカーズリーなどの猛者たちが、これぞMLBとの如く、暴れ回っていた。もちろん、オークランドの選手たちだけではなく、その当時はMLBの存在感を存分に見せつける選手たちが大勢いた。
しかし、今の選手たちがいくら暴れ回っても、昔のように胸がときめかなくなっている。それはなぜか? その大きな理由は。MLBのレベルの低下にあるのではないかと思う。
もちろん、トッププレーヤーのレベルはとてつもなく凄い。ボンズのようなパワーは、日本人ではとても太刀打ちできないし、クレメンスのように40歳を過ぎてもなお、エースとして君臨し続けているだけでなく、100マイル(約時速160キロ)の豪速球を投げ込ことなどは、日本の選手では考えられないことである。また、足・肩・パワー・テクニック・守備においてトップレベルのファイブツールプレーヤ−、A-RODのような選手などは、果たして日本に現れるのかさえも疑問だ。これら、トップアスリートに関しては昔も今も、そのレベルは変わってはいないだろう。
しかし、問題なのはそのトップレベルの選手とボトムレベルの選手との差が大きいということである。
ご存知のようにMLBは現在、30チームが存在している。マイナーの選手も含めればその数は3000人にも上る。その数自体は昔も今も変わらないだろう。しかし、昔だったらとうていメジャ−には上がれないような選手が、選手不足解消のために無理矢理上げられてしまっているのが現状なのだ。
それは、各チームの成績に如実に現れている。
ワタクシの少年〜青年時代は、地区連覇をするチームが珍しく、毎年のように優勝チームが変わっていた。その最たる例が、1991年のミネソタ・ツインズVSアトランタ・ブレーブスの、前年地区最下位チーム同士によるワールドシリーズだ。そのほか、今では弱小チームに成り下がってしまったピッツバーグ・パイレーツやデトロイト・タイガース、ミルウォーキー・ブリュワーズでさえも、優勝争いに絡んできており、見ていても楽しかった。
しかし、現在のMLBは、戦う前からある程度胃の予想が立ってしまうほど、チームのレベルも差が激しい。ナショナルリーグ東地区のアトランタ・ブレーブスは、ナント15年近くも地区優勝の座に君臨し続けているし、アメリカンリーグ東地区のニューヨーク・ヤンキースとボストン・レッドソックスはここ何年も地区優勝をかけた激しいデッド・ヒートを繰り返し、敗れた方がワイルド・カードを獲得するという展開になっている。この10年を見ても、地区連覇を果たしたチームは、前記のチームのほかにオークランド・アスレチックス(ア・西)、クリーブランド・インディアンス(ア・中)、シアトル・マリナーズ(ア・西)、セントルイス・カージナルス(ナ・中)、サンフランシスコ・ジャイアンツ(ナ・西)と実に多い。
スターター全員が防御率5点台というチームがあったり、20本塁打以上を打った選手がゼロというチーム、チームの年間勝率が首位打者の打率に抜かれるかもしれない、と話題になった悲劇的なチ−ムもあった。そんな、トップとボトムのレベルが激しいようなMLBが魅惑的に感じられるだろうか? ワタクシはまったく感じない。
それなのに今年もまた、日本からMLBを目指し多くの選手がアメリカへと旅立った。ル−ル違反まがいのことをしてまでも旅立った選手もいた。
井口資仁(ダイエー→シカゴ・ホワイトソックス)、藪恵壹(阪神→アスレチックス)、中村紀洋(オリックス→ロサンゼルス・ドジャース)、デニー友利(横浜→レッドソックス)。
これらの選手のうち、ワタクシが今年ちゃんと応援したいと思うような選手は藪投手ただ一人である。んぜならば、彼は万人が認めたルールに則って海を渡るからである。井口とデニーは自由契約、中村はポスティングでの移籍だ。これらの移籍はやはり、万人が認めた形とは言い難いと思う。
過去、何人もの選手が様々な形でMLBへ移籍した。それらの選手たちの中で、ワタクシが純粋に応援できる選手は次の選手たちである。
松井秀喜(巨人→ヤンキース)、松井稼頭央(西武→メッツ)、田口壮(オリックス→カージナルス)、木田優夫(オリックス→タイガースなど)、高津臣吾(ヤクルト→ホワイトソックス)の5人である。
彼らの共通点は、FAでメジャ−移籍を果たしたことである。FAという、しっかりとした移籍手段で海を渡った選手たちには、素直にメジャーでも活躍してほしいと思う。ただ、これら以外の選手に対しては、心から応援できる心情にはならない。
野茂英雄(近鉄→ドジャース(当時・現タンパベイ・デビルレイズ)=任意引退)、イチロー(オリックス→マリナーズ=ポスティングシステム)、長谷川滋利(オリックス→カリフォルニア・エンゼルス(当時・現マリナーズ))=自由契約)、大家友和(横浜→レッドソックス(当時・現ワシントン・ナショナルズ)=自由契約)、石井一久(ヤクルト→ドジャース=ポスティング)、大塚晶則(中日→サンディエゴ・パドレス=ポスティング)そして、今回渡米する3人も含め、それぞれに複雑な事情があるにせよ、ゴリ押しの末のワガママという印象が拭えない。
もちろん、日本人メジャーリーガーのパイオニアとしての野茂の功績は大いに評価しているし、イチローが昨年打ち立てたシーズン安打世界記録は賞賛すべき大記録である。また、日本での実績が皆無の大家のように、底の底から這い上がってきた選手には脱帽する思いはある。
しかしである。これら、FA以外で渡米した選手には、日本の球界に後ろ足で砂をかけて行ったというような印象をどうしても拭えないのである。特に、イチローや野茂といった、日本のプロ野球に大きな影響力を持つ選手たちの言動をみると、寂しさを通り越して怒りさえわき上がるのである。
彼らは確かに、今では押しも押されもせぬメジャーのトップスターである。しかし、その彼らの原点は、疑いもなく日本球界であったはず。日本のプロ野球で育てられ、実績を積み上げたからこそ、メジャーでもトップスターへと駆け上がる近道となったのではないか。それを自覚するならば、渡米しなければならなかった複雑な理由はあるにせよ、それは胸にしまって、日本のプロ野球に感謝をするような言動があってもいいのではないか。
ヤンキースの松井に至っては、FAという誰からも認められた形での移籍であるにも関わらず、毎オフには日本に戻り、いろいろな活動をしている。その心には、間違いなく日本への感謝があるはずだ。だからこそ、松井は誰からも慕われ、愛されるスターなのだ。
野茂やイチローがもっと、日本のプロ野球に感謝の態度を示したならば、日本から去った理由も過去のものとなり、万人から愛されるスターとなれるのではないか。もちろん、彼らには万人から愛されたいという気持ちは毛頭ないと思うし、松井に至ってもごく自然の行動ではあると思うが。

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2005-02-17

祭りのあと

 誰が何を基準にして決めるんだ? で、アカデミー賞と肩を並べるグラミー賞が発表されました。詳細な結果はコチラ
                    ○
 最優秀アルバム、最優秀レコードなどレイ・チャールズが8部門を獲得。はい、ちょっと待てーい。死んでるじゃん。
 一応突っ込みますよ。映画『Ray』公開直前、という(不謹慎な言い方だが)絶妙なタイミングでこの世を去ったレイ・チャールズ。流れに乗ってアカデミー賞もかっさらいそうですが、映画は新作。レコードはサントラで、新作ではない。なのに最優秀レコード。ちょっと納得できないですなぁ。お祭り騒ぎだから、そこまで目くじら立てることはないと思いますが。共演したノラ・ジョーンズはもはや「王者の風格」(?)があります、2年連続でグラミー賞のど真ん中にいます。さすが。
 マルーン5が新人賞。前に違う名前でデビューしているんですが、名前を変えるとうまくいくのは世界中で流行りなんでしょうか? くりぃむしちゅーとかさまーずと同じで。あ、でも細木数子に改名させられて売れた人いませんね。
 グリーン・ディがロック・アルバム部門で受賞。何でもはじめてだとか。意外。前作『Warning』は大名盤なんですが。それまでもポップ・パンクの元祖、しかもお気楽極楽だけでなくキッチリとメッセージを出し、演奏も抜群。なのに今回初めて。今作がブッシュ批判だったからでしょうかね。そういう、音楽以外の部分の要素で決まるっていうのも、ちょっと気に喰わないです。新曲を初めてラジオで聞いた時は、正直日本のバンドとのレベルの違いを思い知らされるくらいだったんだけどなぁ。星条旗をバックに「American Idiot」を歌いながらステージを駆け回ったそうです。パンク。そしてビリー・ジョーがスピーチでこう言ったそうです。
「ロックンロールは危険であり楽しくもあるもの」 
 ステキです。
 U2の「Vertigo」が受けてますね。この曲はロックンロールです。iPODのCMで流れた時も一瞬本当にU2か? と思いました。それがうけるんだから今までのU2はなんだったんだ、とちょっと思います。今までがあるからこそ、この曲がうけているんでしょうけど。この路線でアルバム作ってくんねぇかしら。絶対面白いアルバムになると思います。
 少しだけ触れてみました。やっぱりグラミー賞ってアメリカの賞なんですね。全然イギリスのは入っていない。フランツ・フェルディナンドくらい入れてもいいのに。イギリスはイギリスでブリットアワードというのを開催しています。誰か何をとったのかはコチラまで。個人的にはこっちのほうが納得がいく結果になってます。当然イギリス寄りですが。
                      ◇
 まぁ、こういう賞はお祭りです。話題になっているものを集めて騒ごう、と。ロックフェスとはまた違う雰囲気です。フェスは凄く不確定要素があり、まさに“ライブ”なんですけど、こういう賞ものは“ショー”になります。なんとなくですが、予定調和であり、感動というものはない気がします。
 そもそも「賞」というものが芸術と呼ばれる分野でいるのかどうか。「いらない」とまでは言いませんが、賞が一つの権威となり過ぎていると思います。それはグラミー賞であれアカデミー賞であれ、それこそ直木賞であれどの分野であれ、そうじゃないかと思います。あくまでも一つの目安なのだ、という気持ちが必要なのではないでしょうか。賞に力が出てこれば、それに固執するし執着する。受賞の為になりふり構わない、なんてことになる。そうなるとその分野の堕落に繋がると思います。音楽の場合、あまりそういう傾向にはなっていないようですが映画、アカデミー賞はこういう傾向がありますね。
 それにしても、こういう祭典でアメリカのミュージシャンが一同にそろうと圧巻。みんな一流。比べて、日本の音楽の賞ものといえばレコ大、紅白、テレビ番組のスペシャル版……いいメンツだ、と思うことはあまりない。まだまだ日本と海外の差はあるのか、といえばそうでもないと思う。じゃあ何故いいミュージシャンがテレビに出ないのか。やはりテレビ番組やイベントの質なんでしょう。文句は言いましたが、グラミー賞もアカデミー賞もよくできたショーです。エンターテインメントという面ではアメリカは本当にうまい。日本のテレビ、イベント関連の会社もスキャンダルだの買収だのだけで話題になるんじゃなくて、いいショーを作って話題になって欲しいものです。

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2005-02-14

去年のこの日。

週末の2/12、愛車ぴょん吉(ホンダフィット)がリコール!の、月曜日更新担当のホザキです。なんでも後部ブレーキランプが点燈しなくなるかも、とのこと。あぶない、あぶない。その所為でうっかりオカマでも掘られた日にゃ、ブルーマンデーどころじゃないぜ。
 
 この連休のあいだ、TVを点けようものなら、ヴァレンタイン・ディの話題ばかりでした。ハート型のお煎餅に、ハート型の菓子パン。ハート型の入れ物にはいったメンズ用のアメニティ。ご苦労様です。私事ですが、現在のところ3人の奇特な方から、チョコレートを頂戴しました。ここに幸あり。
 因みに、家人は彼女自身がチョコレートが嫌いなので、「あなたには買ってあげない」というのが年来の主張です。
 いや、あのさ、食べるのはわたしなんスけど。
 
 そんなTVの向こうの狂想ぶりを眺めながら、さて去年はどうだったっけとふと思ってみると、そうだった、去年はこの時期、北朝鮮に旅行に出かけていたのだった。すっかり忘れていた。去年のヴァレンタイン・ディの素敵な記憶がないわけである。
 この時期の平壌市内は、「2・16」、すなわち金正日将軍様の誕生日記念祭の準備で忙しいそうだった。愛してる、好きだ嫌いだ、切った張ったどころの話ではない。一年のなかでも、とくに大事な一日のひとつである。みんなせっせと準備に余念がないのであった。
 ツアーの終わりごろ、わたしたち(ツアー一行)は、早朝の平壌の街中を散歩した。宿泊している高麗ホテルの近く。もちろん監視役ガイドは片時も離れない。通りには、誕生日の「2・16」をあしらって飾り立てられた、大小さまざまな立て看板が並んでいた。それらはみな、会社や工場などの各部門ごとに制作しているのだという。
 こうした「2・16」看板や飾りは、入国してからちらほら目についていたけれど、誕生日が近づくにつれてその数はどんどん増えていった。だからといって、街中が一様に祝福ムードに盛り上がり、人民みな歓喜高揚した雰囲気に包まれていたかというと、どうもそんな様子ではなかったというのが正直なところだ。まだ「その日」を迎えていないからだろうか。
 人びとはいつも通り、仕事にあるいは家路に向かっている、といった風であった。それはそれ、これはこれ、という感じだった。

 北朝鮮には、5泊6日滞在していた。将軍様の誕生日までは滞在しなかった。
 残念ですね、とガイドのひとりは残念そうでない表情で、そう言った。たしかに誕生日の一日というものが、いかなるものなのかは見てみたかった。でもじっさい市井の人びとにとって、ほんとうにどれだけ意味のあるものなんだろうかと疑問に思うことしきりだったこともたしかだ。そのうちに出国が近づいてきた。帰りは平壌→北京の国際列車である。

 北朝鮮では滞在中、自由行動こそ制限されたけれど、あちこちを観て回ることができた。高句麗時代の史蹟から高級エステクラブまで。板門店から平壌のボーリング場まで。
 緊張感はないと思っていたけれど、列車が国境の河を渡って中国に入ったときは、とてもホッとした。時刻はもう夜中で、中国の玄関口・丹東の街の明かりが妙に嬉しかった。ツアーのみんなも、心なしか表情が緩んでいた。入国審査が終わったときには、ひとり肩を撫で下ろしたことを覚えている。無意識のうちに、やはり緊張はしていたんだろう。
 列車は24時間かけて、北京に到着した。去年のヴァレンタイン・ディは、そうやって迎えたのだった。でもいまのいままで、そういう迎えかたをしたことすら、忘れていた。ヴァレンタインという華やかさからは、ずいぶん遠い場所に行っていたと、改めて思う。
 でも、ほんとうにそうだろうか。たしかに華やかさとか消費のきらびやかさみたいなものからは、北朝鮮は無縁の土地だった。けれど、ある種の空虚さからは、あの国とわれわれは、そんなに距離は遠くないのではないだろうか。
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2005-02-10

高校野球維新

このブログのタイトルがようやく決まりました。われながら、大満足です。
それにしても、“GM”というのはイイ響きですなあ。いまさら説明するのもなんですが、GMというのは、ゼネラルマネージャーの略で、言うなればフロントの監督と言ったところでしょうか。
このGMという職業、野球バカのワタクシにとって今一番、憧れの職業といってもいいかもしれません。プレーヤーとしての限界を感じてから、このGMという仕事には何ともいえない魅惑の香りが漂っているんです。ところが日本には、まだ4球団しかこの職を置いていません。オリックスの中村勝広GM、日本ハムの高田繁GM、楽天のマーティー・キーナートGM、そして球界初のGM兼監督となったソフトバンクの王貞治GMと、パ・リーグだけというのも何だか興味深いところではありますが……。
このGMという仕事ってとっても魅惑的だと思いませんか? なぜなら、自分で足を運んで、自分の目で調べて、交渉して、獲得して、そしてその選手がスターへと成長するのを見届ける。極端な話、自分で選手を育てることができることにもなるというわけです。もちろん、そんな甘いものではないことは百も承知です。ところが、そんなGMのような体験ができるゲームソフトがあるんですよね。セガから発売されている『プロ野球チームをつくろう』シリーズなんですが、この話はまた今度。

さて、この小島GM、野球をとってもとっても愛しております。世に言う野球バカを絵に描いたような男であります。しかるに、昨今叫ばれている野球危機というものに対して、プロ、アマ、メジャー、を問わず、微力ながらワタクシなりの意見を申していきたいと思っております。

今回の話題は、先月31日に発表されました「第77回センバツ高校野球大会(3月23日から12日間・阪神甲子園球場)」についてです。プロ野球のキャンプが始まったとはいえ、本格的な球春と言えば、このセンバツが始まる頃を言うのではないでしょうか。
今回の出場校の顔ぶれを見ると、なかなか多士済々、面白そうだ。
45年ぶり出場の慶応(神奈川)と72年ぶり出場の高松(21世紀枠・香川)の復活組、55回大会の池田(徳島)以来の夏春連覇を狙う駒大苫小牧、それぞれセンバツ優勝経験のある常総学院(茨城)、東海大相模(神奈川)、東邦(愛知)、天理(奈良)、沖縄尚学(沖縄)などの強豪校、悲願の甲子園初優勝を目指す浦和学院(埼玉)や優勝候補筆頭の呼び声高い柳ヶ浦(大分)、創部二年目でのスピード出場を果たした神村学園(鹿児島)など話題は尽きない。

しかし、その一方で高校野球ファンにとって、超高校級と噂されるスラッガーや剛腕の投手が出場しない大会になったという淋しさもある。
もちろん、オラが町の高校を応援するというのも高校野球を見る一つのスタイルではある。特にセンバツは、21世紀枠が導入されたこともあり、一層オラが町の色が濃くなってきたことは、とても喜ばしいことだと思う。今年の例で言えば、一迫商(宮城)はその象徴だろう。
しかし、高校野球ファンのもう一つの楽しみは、勝敗を度外視した、ファンが度肝を抜くプレーを見せる野手や、思わず唸りをあげてしまう投手といったような、ヒーローの出現を期待することである。
過去、甲子園にはファンの心を魅了したキラ星のごとくたくさんのヒーローが躍っていた。
王貞治(早稲田実)、柴田勲(法政二)、尾崎行雄(浪商)、池永正明(下関商)、平松政次(岡山東商)、尾崎正司(海南)、中西太(高松商)、板東英二(徳島商)、坂崎一彦(浪商)、三沢幸司(三沢)、江川卓(作新学院)、原辰徳(東海大相模)、小松辰雄(星稜)、牛島和彦、香川伸行(ともに浪商)、篠塚利夫(銚子商)、定岡正二(鹿児島実業)、荒木大輔(早稲田実)、愛甲猛(横浜)、工藤公康(名古屋電気)、金村義明(報徳学園)、畠山準、水野雄仁(ともに池田)、清原和博、桑田真澄(ともにPL学園)、伊良部秀輝(尽誠学園)、鈴木健(浦和学院)、立浪和義(PL学園)、中山裕章(高知商)、松井秀喜(星稜)、松坂大輔(横浜)、そして昨年のダルビッシュ有(東北)、などなど枚挙に暇がないほど、大勢のファンのハートを掴んだ。
もちろん、今年のセンバツ出場校にも高校野球ファンを魅了しそうな魅惑のスター候補生はたくさんいる。
投手では、山口俊(柳ヶ浦)、松橋拓也(駒大苫小牧)、若竹竜士(育英=兵庫)、柳田将利(青森山田=青森)、林啓介(福井商=福井)、斎藤勝(修徳=東京)などが注目される。
野手では、川端慎吾(市和歌山商=和歌山)、角一晃(東海大相模)、林裕也(駒大苫小牧)などが注目のスラッガーだ。
しかし、この選手たち以上に、甲子園を湧かせてくれるのではと期待する選手が今年は特に多い。
“ナニワの四天王”の呼び声高い、辻内崇伸(投手)、平田良介(外野手・ともに大阪桐蔭=大阪)、鶴直人(投手・近大附=大阪)、岡田貴弘(外野手・履正社)は全員、プロ垂涎の選手たち。昨春も甲子園を湧かせた大前佑輔(投手・社=兵庫)、片山博視(投手・報徳学園・兵庫)は、一年間でどれだけ成長したかを見たい選手だ。泉徹也(投手・文星芸大附=栃木)は、実兄・正義(ヤクルト)以上との評価もある。しかし、これらの選手には甲子園の出場のチャンスはあと1回しかない。
大前と片山は過去に甲子園には出場している。しかし、“ナニワの四天王”に限っては、同じ大阪で地区予選を戦わねばならない。つまり、高校野球ファンにとっては“ナニワの四天王”全員を甲子園で見ることは絶対にできないのである。非常にもったいないと思う。全国のレベルでどれだけ通用するのかを、見てみたいのである。それはつまり、その先にあるプロでの活躍を測る物差しとなるからだ。
そこで一つ提案。
21世紀に入って、センバツは様々な改革を試みて成功してきた。21世紀枠(各地区秋季大会ベスト8以上で、困難な条件を克服したり、他校の模範となる学校が選ばれる)の導入により、遙かに遠かった甲子園が近くなり、この21世紀枠をきっかけに全国大会にまで出場した高校もある。宜野座(沖縄)や鵡川(北海道)などがいい例である。
また、希望枠(神宮大会枠以外の各地区補欠1位校から守備力重視で選ばれる)によって、打撃が弱くても投手を含めた守りがしっかりしたチームが出場し、昨年の秋田商のようにベスト8まで勝ち残る例もある。
これらの増枠は、いわば地区大会の敗者救済のような形をとっている。とはいっても、それぞれベスト8以上に残っているという実力も備わっているので、甲子園でも決して無様な試合をしてはいない。
そこでだ。もう1枠増やすというのはどうだろう。ズバリ、“ファン枠”。全国の中立な高校野球ファンによる、この選手を甲子園で見たい! という要望に応える枠である。
高校野球の逸材というのは、ファンの間ではある程度認知されている。実際、“ナニワの四天王”などは、昨年の夏の時点でもう認知されていた。
毎年、ドラフトの時期になると、“中央では無名だが”というコメントの付く選手が上位で指名されたりする。プロのスカウトは地方大会などで目にすることがあるから、その選手の力量はわかるだろう。しかし、一般の人はその選手のプレーを実際見たわけではないので、“本当にそんなにいい選手なのかな?”とか、“この選手の方がいいんじゃないのか?”なんて思ったりする。反対に、甲子園でプレーしているのを見たことがある選手に対しては“物差し”があるので、素直に期待できたりもする。
もちろん、ただ闇雲に見たい選手がいる、というだけで選ぶのはおかしいかもしれない。ただ、甲子園に出るためにみんな練習に励んでいるんだと思う。実力重視の一発勝負で出場する全国大会は、いまのままでもいい。しかし、センバツという大会の特性上、いろいろなセンバツ方法があってもいいのではないだろうか? 甲子園に出たことによってさらにスケールアップした選手は過去にもたくさんいた。逆に、甲子園という物差しがなかったために、プロで大成しなかった超高校級と評された選手もいた。
高野連さん、このセンバツ方法って、高校野球のファン獲得にもつながると思うんですが、いかがです?

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過去を喰う。

 先日HMVに行き、何気なく10%オフの棚を見ていたらあるバンドのベストアルバムが18曲入りで1040円でした。2、3曲入りマキシシングルでも1000円以上するのに18曲入りで1040円とはこれ如何に。購入しました。買うつもりは全然なかったんですが。これ以外にも2枚買いました、勢いで計3枚。安いのがあったから衝動買いをしたのに更に2枚入れてどうする。しかも1枚は国内盤で高いし。サヨナラ、新渡戸稲造。二重の意味で。
                         ☆
 近年、CCCDをやったり(やめたり)、輸入を規制する法案ができたりし、何とかCDを買わせよう買わせようとする姿勢が見える。誰が考えているのかは知らんが、んなことよりいいレコードを作る方に力を注いでもらいたい。悪あがきをしているようにしか見えない。
 バブルの頃はドラマ主題歌になれば売れる、というレコード会社にとって夢のような時代でした。今はドラマの主題歌になっても一瞬で記憶の彼方に飛ばされてしまう。前回Queenの『JEWELS』が売れたのはキムタク主演のドラマ主題歌が入っているからというのは一因に過ぎないと書きましたが、つまり聞かれていて尚且つ曲のレベルが高くないと100万枚以上は行かない。MDやiPODの普及が更にCD売り上げ不振に拍車をかけているでしょう。
 しかし不振だけど、「ちょっとこれどうなのよ?」と思うものが売れたりするので、世の中わけがわかりません。ここで名前を出すのはアレなんで書きませんけど。「ゴミ!!」とは言いませんが、何でそんなに売れるんでしょう。不思議でしょうがないです。時々「そのCDを作るぐらいなら、その材料と労力を今までの名盤にまわせ」と思う時もあります。
 思えばモーニング娘。とかSPEEDとかが出てきて、「こんなの売れないだろう」と思ったら売れ、この辺りから世間と自分の間に壁ができ始め、最近では売り上げトップ10を見て買ったものが1枚あればいいくらい。オレンジレンジのどこにあれだけ売れる要素があるんだか、さっぱりわかりません。
                        ◇
 そう、レビューです。だらだらと音楽業界に思うことを書いてしまいました。ようやく本題です。

b00079fhum.09.LZZZZZZZ[1]

『We Are Little Barrie』
Little Barrie

 聞いたことのないバンドだなぁ、と思ったら新人のようです。以下、HMVの紹介文の引用を。

エドウィン・コリンズ(オレンジジュース)をプロデューサーに迎えた記念すべきデビュー・アルバム! ヴィンテージ楽器マニアである3人から紡がれるプリミティヴなロックンロールは徹底的に無駄を削ぎ落としたロウなサウンド。ブルースやファンクといったどす黒い要素も満載!! 久々に骨のあるバンドの登場だ!!

 R&Bやブルース、ソウルが大好きなんだろう、と思ったらその通りでジェイムズ・ブラウンの大ファンらしい。かなりファンク。こういったR&B、ブルースが好きなバンドが出す音は下手するととても古臭くなりがちだが、このバンドの音はかなり現代的。現代的という言い方はちょっと違う気もするが、全然古くない。音の質感がとてもいいです。
 技術が進んで、いろいろな音を出せるようになってきた反面、こういったヴィンテージ機材などを使ってレコーディングするバンドが出てきており、The White Stripesとか22-20sなどいいバンドがいます。
 The White Stripesは他のバンドに比べ頭一つ上のレベルにまで到達しています。最近ライブDVDを出しましたが、こちらもお勧めです。ただ、演出としてやっているんでしょうが画像がチープ。ある部分だけならいいんですけど、ずっとだとちょっと飽きる。最新技術を使えばいいのに、と思いますが2人しかいないのでハイビジョンは必要ないような気もします。
 そう、2人だけなのです。ドラムは女性で、ギターは1本です。にも関わらず濃い音を出します。ブルースとロックンロールにとり憑かれ、演奏し、しかもしっかり売り上げを出している。うーん、凄い。そういえば、この2人は姉弟と言い張ってました。本当は夫婦。でも離婚したとか。そういった愛憎を越えた絆があるんでしょう。
 古さを取り入れ新しい音楽を作る。これもまた一つのジャンルで面白いです。独特の音がしています。日本にはこういうバンドがいません。すんごいライブをしながら、チャートにも通用するバンドが出てきてくれることを期待します。
 長々とこのバンドとは別のことを書いてしまいました。デビューで情報もないので、と言い訳をしつつ。レコードの次はライブが見たいです。この音でライブがイッチャッてるくらい凄ければ、今後も期待大です。

 長いな、今回。次回はもっとコンパクトにまとめたいと思います。では!

45202270037081
『Under Blackpool Lights』
The White Stripes


22-20s
『22-20s』
22-20s

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2005-02-08

僕が見た「電車男」

 最近やけに、電車の中でケンカが多い。週に一度は目撃している気がする。実際、僕が通勤で使っている東急田園都市線では、かつてケンカが元で殺人事件が起きているのだ。車内で4人組の少年に注意をした銀行員の男性が、三軒茶屋駅のホームに引き摺り下ろされ、暴行を受けた挙句死亡。まったくふざけた話である。
 先日目撃したケースはこうだった。
 僕はいつものように「平和ポジション」をゲットしていた。車両の連結部付近、駅の乗り降りで煩わしい思いをしないで済む、あの場所だ。その背後で、きな臭い動きが起こった。
 若い男がしきりに舌打ちをしている。余計な争いに巻き込まれたくない僕は、駅に到着するタイミンングを見計らい、駅名を確認するフリをしてチラッと振り返った。すると二十代後半だろうか、背が低くて痩せ型の若造サラリーマンが、何だか不満気な顔をしてユラユラしている。見たところ、へなちょこ気味な男だ。僕は、少し安心した。「ケッ、このへなちょこ、うるせえよ」と、少し思った。もちろん口には少しも出していない。
 その後、へなちょこの舌打ちはエスカレート。どうやら、奴の隣りに立っている大男の肩が、時折触れているらしい。「その程度のことで周囲を嫌な気持ちにさせんなよ、このへなちょこ野郎」。やっぱり口には出さない。しかし、へなちょこのくせに大男にケンカを売るとは、もしやこいつ格闘技経験者か?
 舌打ちのボリュームアップとともに、車内に緊張が走る。二人の周囲が考えていることは(おそらく)ひとつ。
 「大男は、いつキレるのか」
 僕がまたチラッと振り返ると、隣りのオヤジも僕同様、チラ見中だった。やっぱり気になりますよねえ。
 電車は溝口駅のホームを前に減速。ここでへなちょこが下車態勢に入った。荒々しく網棚からカバンを降ろし、「あー、まったくよー」などと小声でつぶやく。あくまでも小声だ。扉が開くのに合わせ、へなちょこは猛然とダッシュ。そのとき、しっかりと大男にぶつかってから出て行った。
 「やり逃げかよ」。周囲はあっけにとられる。姑息な野郎め。すると大男、観客の期待を感じたのか、ハッと気がついたように奴を追った。他の乗客をかき分け叫ぶ。
 「降ろしてくれ。俺を、降ろしてくれ」
 悲痛だが、紳士的だった。大男の声は「モーゼの十戒現象」を呼び起こした。
 溝口駅のホームをドタドタと走っていく大男の足音が聞こえる。「ああぁぁぁ……」。へなちょこの悲鳴が続く。どうやらへなちょこは、ただのへなちょこだったようだ。「あぁぁ…やめろ…よ…ぉ…」。そして扉が閉まった。
 車内には、何とも嫌ーな空気が残される。一方で観客たちには不思議と、あるすがすがしい思いが共有されていたように感じた。
 「がんばれ、電車(大)男!」

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2005-02-07

その記事、読みてえ。

 週末の2/5、自宅のマンション1階で火事発生!の、月曜日更新担当ホザキです。因みにわたしの部屋は3階、くだんの部屋はちょうど真下なのでした。
 
 自分のカテゴリタイトルを、やや自虐的に「ブルーマンデー・ノート」にしようと思ったら、その日のyahoo!ニュースで、「月曜日に自殺する人が多いことが厚生労働省の統計で分かり、話題になっている。以前から言われていた「ブルーマンデー」という言葉を裏付けた形」云々という記事を見つけてしまいました。
 しかも、その記事の最後部にある「ブルーマンデー症候群チェックリスト」なるものまであったのです。
 
(1)人がいいといわれる
(2)他人と争うのは好きじゃない
(3)週末はゴロゴロしているだけだ
(4)日曜日の夕食はおいしく食べられない
(5)日曜日の夜はイライラが高じて寝つけない

 以上、3項目について当てはまれば「ブルーマンデー症候群の可能性あり」という。
 当てはまるじゃないの、上からばっちり4項目! 
 
 さて、火事の大騒ぎがはじまるまえのこと。
 ふらりと近所のセブン・イレブンに立ち寄ったところ、江崎グリコの食玩「タイムスリップグリコ」新シリーズが発売されているのを発見。「思い出のマガジン」と題して、「ポパイ」やら「少年画報」やら「花とゆめ」やら、全部で9種類の縮小版マガジンがはいっている。北海道・東北では先行発売されていて、関東地区ではつい先週発売だったようだ。
 さっそく2箱購入。出てきたのは、「ポパイ」創刊号と「ARENA37℃(アリーナ サーティセブン)」1983年5月号だった。残念なことに、わたしはその2誌ともに同時代的に読んではいない(「アリーナ・・」は読んでいたわよという家人は同い年である)。
 どの雑誌も思い切り縮刷されているので、しかたないのだが、文字があまりに小さい。それゆえ、ルーペなどの小技を使わずに、すべての記事を読むことはなかなか難しいのではないか。それでもページをめくって見出しだけでも眺めていたら、「ARENA37℃」で、どうしても読みたくなった記事に遭遇。
 それは、村上龍と広田玲央名の「『だいじょうぶマイフレンド』対談」。そう、あの映画「だいじょうぶマイフレンド」の監督とヒロインの見開き対談なんである。この映画、わたしのなかでは、あの「シベリア超特急」に並ぶ怪作だ。
 対談ページにはでかでかと、
 「村上さんのために脱いだの。だって銭湯に行ったこともないんだから(玲央名)」
 「俺、イヤだっていったら、ウサギのソファ買ってあげようって思ってたよ(龍)」
 とある。
 村上龍の、初期のころのにおいがぷんぷんするセリフだ。懐かしい。
 その対談を読みたいんだけれど、とにかく文字が小さいし印刷が不鮮明なので、やっぱり判読は難しい。きっとたぶん、どうせ大した中身ではないだろうと想像しつつも、でも読んでみたい。ケナすなら、読んでからケナしたい。
 そんな悔しい思いを抱きつつ、ザ・スターリンの「クレムリン通信」へとページを捲っていくのだった。こちらでは、スターリンとみちろうのコラージュ顔が仲良く並んでおりました。
 ところで、この食玩、アーモンドチョコボールがたった2個しか同梱されていなかった。なんというか、取って付けたような感じがするよな。

 さて、このカテゴリタイトル、どうしようかしらん。

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2005-02-01

ウキウキのキャンプイン!!

2月1日、本日は待ちに待ったプロ野球のキャンプインでございます。野球人のお正月でございます!!

いや〜、思えば昨年のプロ野球界はいろいろなことがあった一年でした。今思えば、昨年の年初に起こった近鉄のネーミングライツ騒動、あれが激動の一年を暗示していたのかもしれませんね。近鉄とオリックスの合併に始まり、球界再編問題、史上初のスト突入、新規球団参入、ドラフトに関わる裏金の存在、それに伴うオーナー3人の辞任、ドラフト改革問題、FA、ポスティング、契約更改のトラブルなどなど、暗いニュースばかりに包まれた1年でした。これらのことに言いたいことは山ほどありますが、キャンプインの初日でもありますし、1回目でもあるので、明るい話からしていきましょうか。

キャンプというのは不思議なもので、どこのチームも本当に強そうに見えるのですよ。それはやはり、まだペナントレースも始まっておらず、勝敗に関係なく、いいところばかりしか見えてこないからでしょう。まぁ、逆説的に言えばこの時期に強そうに見えない、悪いニュースしか飛び込んでこないというチームは悲劇的としかいえないと言うことなんだろうケド……。
で、この時期、毎夜のスポーツニュースに一喜一憂する毎日。「今年のイチ押しはこの選手だ!」なんてニュースを聞くと、「こいつは今年はヤリそうだな、ムムム……」と眉間にシワを寄せながら、お手製の選手名鑑に赤ペンで“要注意マーク”を記し、危機感を募らせつつも、まぁでもまだコイツは若い!なんて、余裕をかましてみる。
また、「ピンチ! エース(主砲)が故障で戦線離脱!」なんてアクシデントが入れば、「ヨシッ! 今年はいけるんじゃないの〜〜」とほくそ笑みながら、名鑑に青ペンで×(バッテン)を刻み、とかなんとか言いつつ開幕には間に合うんじゃないの〜とか文句を言いつつも、たぶん無理でしょうと判断して、喜色満面の笑みを浮かべてみる。
こんなことを毎日やりながら、1カ月を経過すると、自分なりの戦力分析ができて、そこから順位予想へと移るわけです。ただし、このキャンプの分析はあまり当てにはならないのである。そこが野球の難しいところなんですがね。

さて、昨年の暗い球界のニュースを吹き飛ばすべく、今年ワタクシが期待する12球団のダイヤモンドの原石をご紹介いたします。今年のキャンプでも、是非この選手たちに注目してみてくださいませ。

最初はやはり、ワタクシの愛するジャイアンツの原石です。
内海哲也(投手・23歳)背番号26【敦賀気比高─東京ガス(2003年自由枠)】
ホント、この投手イチ押しです。ケガなくキャンプを過ごせればローテーションに食い込んでくるはず。いやむしろ、我慢して今年はこの投手を使って欲しい。昨年のデビュー時には、辛口なコメントで好評の豊田泰光氏(西鉄黄金時代の遊撃手。中西太氏と並び、野武士野球の象徴ともいえる名選手)が『週刊ベースボール』に連載している「オレが許さん!」のコーナーで、絶賛されていた。

お次は、ダルビッシュでも注目される北海道日本ハム。
須永英輝(投手・20歳)背番号13【浦和学院高(2003年2巡目】
昨年、高卒ながら早くも一軍の先発マウンドに上がり、実力の片鱗を見せた。彼のよさは、適応力。浦和学院高時代も、甲子園で敗退するたびに課題を見つけ、それを克服してきた。先発陣が手薄なチーム事情から、今年はローテーションに加わる確率は高そう。スタートをうまく乗り切れば、二ケタ近く勝てるはず。

3年連続最下位からの浮上を目指す、牛島新監督率いる横浜は、この和製大砲。
吉村裕基(内野手・21歳)背番号31【東福岡高(2002年5巡目】
ルーキー時からその潜在能力は高く評価されていた。一昨年は高卒ルーキーながら一軍でプロ初アーチを架けると、昨年も順調に成長の跡を見せた。ウッズが抜け、長打力低下が懸念される打線の中で、数少ない和製大砲候補として首脳陣の期待は大きい。同ポジションには村田修一、種田仁とライバルは多いが、この選手がブレイクすれば、向こう10年は4番の心配はいらないだろう。

就任1年目でみごと日本一に輝いた、伊東ライオンズはこの男。
涌井秀章(投手・19歳)背番号16【横浜高(2004年1巡目)】
基本的にはルーキーはあまり紹介したくない(プロでの実績がなく、伸びしろがわからないので)のだけど、この投手を紹介しないわけにはいかないので、推します。昨夏、ダルビッシュらとともに甲子園を湧かせた剛腕投手。高卒ルーキーながら西武黄金期を築いた潮崎哲也(昨年引退)の背番号を継承されたように、首脳陣の評価も高い。MAX148キロのストレートだけではなく、多彩な変化球も操り、早い時期の一軍昇格もありうる。松坂が早ければ今オフにもメジャーに移籍するため、松坂二世として期待も大きい。現時点では、ダルビッシュよりも期待値は大きい。

経営権譲渡で資金が潤沢になり、巻き返しをはかるソフトバンクは、ポスト井口。
明石健志(内野手・19歳)背番号36【山梨学院大附属高(2003年4巡目)】
一昨年のドラフト直前に、ダイエー(当時)のドラフト戦線に浮上した隠し玉的存在として、注目された。俊足・巧打・好守の内野手として、メジャーに移籍した井口の後釜としての期待が大きい。昨年は早くも一軍を経験し、その能力の高さを発揮した。やや細身の身体に体力が付けば、有力なライバルが存在しないため、レギュラーを獲得しても不思議ではない。

今年もオレ流で球団初の連覇を目指す中日は、元甲子園のアイドル。
森岡良介(内野手・21歳)背番号45【明徳義塾高(2002年1巡目)】
御存知、2000年夏の全国大会優勝を果たした明徳義塾の内野手。ルーキーイヤーの一昨年は、一軍で安打も放ち、更なる飛躍が期待された昨年だったが、やや壁にぶちあたった感があった。今年は外野守備にも挑戦するなど、立浪二世の実力開化が待たれる。井端、荒木のキーストンコンビの壁は厚いが、今年はまず、スーパーサブとしての地位を確立したいところ。

ボビー復帰二年目で、期待が大きい千葉ロッテはこの選手。
西岡剛(内野手・21歳)背番号7【大阪桐蔭高(2002年1巡目)】
昨年後半は一軍に定着し、レギュラークラスの働きを披露した。今年は完全定着といきたい。俊足・巧打に細身ながら長打力も併せ持った、将来のスター候補生。昨年は、今江とともにヤングマリーンズの象徴として、チームを引っ張った。小坂に翳りが見えはじめている時期だけに、今年は最高のチャンス。自主トレでは、同じ大阪出身で背番号7、内野手でスイッチヒッターと何かと共通点の多い、松井稼頭央(メッツ)と一緒に過ごし、大いに刺激された。

派遣奪回を目指す背水の岡田阪神は、親子鷹の投手。
田村領平(投手・21歳)背番号56【市立和歌山商業高(2002年8巡目)】
75年のドラフトで1位指名され大洋に入団した田村政雄投手を父に持つサラブレッド。年々、順調に成長しており、今年は一軍定着が期待される。課題だった制球難も克服し、ストレートのMAXは147キロまで伸びた。あとは経験を積むだけ。キャンプでアピールし、オープン戦で結果を残していきたいところ。まずは、中継ぎで実績を積んでいきたいところ。井川二世として期待も大きい。

来季の古田監督案も出ている、ヤクルトは早大四連覇に貢献したこの外野手。
青木宣親(外野手・23歳)背番号23【日向高─早稲田大(2003年4巡目)】
鳥谷(阪神、由田(オリックス)らとともに早稲田のリーグ四連覇に貢献した、ファイブツールが魅力の外野手。昨年はイースタンで首位打者を獲得、今年は一軍でのレギュラー争いに挑戦する。若松監督が明言したように、レギュラーが確約されているのは左半分のみ。稲葉がFAで抜けたとはいえ、レギュラー獲得は決して楽ではない。守備と足では他の候補者よりも群を抜いているだけに、アピールしていきたいところ。

新生オリックス、仰木マジックで輝く原石はこの投手。
阿部健太(投手・21歳)背番号48【松山商業高─近鉄(2002年4巡目)】
ルーキーイヤーの一昨年終盤、一軍デビューを果たしローテーションに定着、更なる飛躍を期待された昨年だったが、2年目のジンクスにドップリと浸かってしまった。原因は、自信が過信に変わったこと。伸びのあるストレートとキレのある変化球で勝負する姿は、岩隈二世を彷彿とさせる。昨年スランプに陥った原因のひとつでもあった投球フォームを、松山商業高時代のものに戻してリベンジを図る。合併余波で環境が変わったことも吉と出るはず。

今や長い低迷期に入ってしまった広島。昨年の嶋のようなニューカマーが出るか。
尾形佳紀(内野手・27歳)背番号4【日大藤沢高─日本大─ホンダ(2003年4巡目)】
ルーキーイヤーの昨年は、まずまずの成績を残した。外野も兼任した昨年から、今年は内野手一本に絞り、シーツの抜けた遊撃手のポジション取りを狙う。ライバルは数多くいるが、走攻守の安定感を考えれば、この尾形が筆頭候補だろう。盗塁王を狙えるだけの脚を持つだけに、一番に定着できれば伝統の赤ヘル野球復活への起爆剤となる。課題は、ケガをしないことだけだ。

最後は、良くも悪くも注目される楽天。
坂克彦(内野手・20歳)背番号53【常総学院高─近鉄(2003年4巡目)】
一昨年の全国大会で優勝した常総学院出身の期待の若手。高校時代から定評のあった打撃と守備はプロに入ってからも衰えを知らず、さらに磨きがかかった。高校時代には主将も務めるなど、リーダーシップも兼ね備えており、将来の主軸として期待がかかる。今年は新規参入一年目ということで、実績のない若手が食い込むことは難しいかもしれないが、逆にベテランが多いチームだけに、息切れしたときにチャンスを掴めば、一気に定着できる。名将・木内監督の最後の教え子だけに、木内イズムの伝道師としてもその存在は大きいはず。

以上、長々と書き連ねました。これを参考に、キャンプを御覧になってはいかがでしょうか?

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懐かしのラヴァー・ボーイ

 編集部で雑記を書くことになり、さて自分は何をテーマに書こうかと思い、つきつめていき、果てには何もなかったので、適当に好きな音楽について書きます。なるべく新譜紹介。でも買わないときがあるので旧譜になるときもしばしばあるかと。またいきなり音楽ではなく、映画やら演劇やらになる可能性も無きにしも非ず。要は好きなものを思いつきでやっていく、ということです。
 以後、宜しくお願いいたします。


 さて、記念すべき第一回はこれー。

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『QUEEN JEWELS II/ クイーン ジュエルズ II~ヴェリー・ベスト・オブ・クイーン~』
価格:¥2,548〈INCL.TAX〉


 2004年、一番売れた洋楽アルバムはこれの前作『JEWELS』だそうです。150万枚を越えたとか。
 150万枚!!!
 ちょっとビックリする数字です。今やミリオンセラーがシングル曲でもなかなか出ないにも関わらず、洋楽のアルバムが100万枚越え。木村拓也主演のドラマ主題歌になったのも一因でしょうが、それだけではないでしょう。キムタクで歌の題名が“I WAS BORN TO LOVE YOU”なんて、ちょっと鼻で笑ってしまいそうですが、それがQueenの曲と知ると、ニヤリとしてしまう。Queenってそんなバンドだと思います。

 改めて聞くと、その楽曲のレベルの高さには驚きます。コンスタンスに名曲を作り続け、トップに君臨し続け、劇的な最後を遂げたバンドもそうないでしょう。
 フレディ・マーキュリーは、1991年11月24日にエイズによる気管支肺炎で他界。前日にマスコミにHIV感染告白をしたばかりでした。

 いつ聞いても、これをライブで聞きながらたくさんの人と会場で歌いたいと夢に見、その夢は夢のままで永遠に適わない。そう思いながらも、今日もQueenを聞いては夢を見ます。

 ああ、一度でいいから“WE ARE THE CHAMPIONS"をフレディと歌いたかったなぁ。

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恐るべき十八歳

 先日、著者の岡さんと会食。

 岡さんも僕も、プロ野球は横浜ファンである。いよいよ今年もキャンプ期到来。当然、話題は今季の展望、ということになる。
 「多村はいいよねえ」
 「成長しましたよねえ。地元(横浜高校)出身ってのもいいんですよ」
 「吉村っていう若いのもいいわけよ」
 「ああ、背番号31番の奴ですね。よくそんなマイナーな選手知ってますね」
 「俺、シーズンシート持ってるし。吉村なんか、多村以上に成長するかもねえ」
 打線の話は盛り上がる。
 「問題はピッチャーですよね」
 「だよなあ」
 店内にもすきま風が吹き抜ける。しばし二人とも沈黙。これはまずい。話を膨らませねば。
 「新監督の牛島さんはどうなんでしょうねえ。僕はちょっと心配なんですけど」
 「牛島か。牛島は大丈夫だよ。俺はね、ある話を聞いたから、心配はしてないわけよ」

          ◇

 こんな話だ。
 牛島は名門・浪商高校を卒業後、投手として中日に入団した。同期入団には、牛島を含め投手が四人。ルーキーイヤーのある日、その四人が投手コーチに呼ばれた。コーチは四人に、ある質問をする。
 「9回裏、俺たちは3対2でリードしている。ヒットで出たランナーは二塁まで進んだが、2アウトまで漕ぎ着けて、カウント『ツー・スリー』。お前なら、この状況でどんな球を投げる?」
 大学やノンプロ出身の投手たちは口々に答える。
 「得意のスライダーをアウトコース低め、ですね」
 「真っ直ぐを力いっぱい、インコース高めヘ投げます」
 コーチはここで、高卒ルーキーに尋ねた。
 「牛島。お前ならどうする」
 すると牛島は、こう切り返した。
 「コーチ。ツー・スリーまでの配球を教えてください」

          ◇

 「そのコーチ、『こいつはすごい』と思ったらしいよ。18歳だからね、当時牛島は」
 「確かにそれはすごいスね」

 そんな感じで、さらにこの後も野球ネタで盛り上がってしまった。
 我々二人、今季も「横浜で一喜一憂」となりそうである。

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